『メディア文化論 メディアを学ぶ人のための15話』   吉見俊哉 著

メディア文化論―メディアを学ぶ人のための15話 (有斐閣アルマ)

メディア文化論―メディアを学ぶ人のための15話 (有斐閣アルマ)


【所感】
・昨今のインターネット・メディアを考えるにあたって、「メディア」についての一般的基礎を、垣間見たくて購入。
・アプローチの基本は、
   (1)テクノロジーや装置としての次元
   (2)テクストが相互作用していく言説的な実践の場としての次元
 の2つ、らしい。
・流し読んじゃったから自信無いけど、なんとなく、インターネット・メディアは、テクノロジーとして既存メディアとは大きくことなること、そしてその違いが、双方向や非同期や低コストや大量発信者といった特徴を通して、テクスト自体やその相互作用が大きくことなること、などから、従来のメディア研究の枠組みとか方向性では、見えてこない、見えてき難いといった印象。マクルーハンとかの方が、ヒントがあるのかも。



【目次】

  第 1話 メディアとは何か
       1 メディアは横断する
       2 メディアは媒介する
       3 メディアは伝達しない
       4 メディアを研究する


Ⅰ 方法としてのメディア
  第 2話 メディアの時代 メディアの理論
  第 3話 新聞学というメディアの知
  第 4話 マス・コミュニケーション理論の展開とその限界
  第 5話 メディア革命と知覚の近代
  第 6話 カルチュラル・スタディーズの介入


Ⅱ 歴史としてのメディア
  第 7話 新聞と近代ジャーナリズム
  第 8話 電話が誕生したのはいつだったのか
  第 9話 誰が映画を誕生させたのか
  第10話 ラジオ・マニアたちの社交圏
  第11話 テレビが家にやって来た


Ⅲ 実践としてのメディア
  第12話 ケータイが変える都市の風景
       1 「コードレス」から「ケータイ」へ
       2 「個室」と「都市」が結合するネットワーク
       3 公的空間と私的空間の境界消失
       4 脱場所化、非同期化、双方向的な自己編集性
  第13話 パソコンとネットワーク化する市民社会
       1 「電子計算機」としてのコンピュータ
       2 コミュニケーション・メディアとしてのコンピュータ
       3 インターネットと新しい市民運動・市民活動
       4 メディアの変容・政治の変容
  第14話 グローバル・メディアとは何か
       1 グローバル・メディアの矛盾
       2 グローバル・メディアへのアプローチ
       3 変貌するメディアの複合的地平を捉えるために
  第15話 メディアを変革するための知
       1 メディア・リテラシーという回路
       2 連動するメディア研究とメディア・リテラシー
       3 メディア・リテラシーからメディア実践へ
       4 メディアを変革するための実践的な基盤