『戦略「脳」を鍛える』   御立尚資 著

戦略「脳」を鍛える

戦略「脳」を鍛える


【所感】
・2時間くらいで読了。ややこしそうなテーマのくせに、非常に読みやすい一冊。
・会社にBCGの人がインタビューに来てて、置いてってくれたとかで、頂戴しました。
・戦略論とかマーケティングとかを一通り学んだ人、用語は一通り説明できるけど、なんか実践に繋がらない、とかで悩んでいる人とかが読むと、!という感じか。このレンズの部分は、結構、対応できる人、いるように思うけど、スピードの部分に対応できる人が、少ないんだろうなぁ。それなりのCPU、しかも、左脳も右脳も、を持っていないと、回転数あがらないし。コンサルタントで有名な人が、東大出身ばっかりというのも、そーいうことなのかもしれない。今頃、納得。
・本書で言うインサイトを生み出す手法の一つが、デザイン思考ってことかしらん。フォーカスレンズあたり、チームでのインサイトあたりは、特に近しい印象。



【ユニークな戦略】

ユニークな戦略 = 定石 + インサイト
        = 定石 + (スピード + レンズ)
        =   戦略のエッセンス
          + (パターン認識 + グラフ発想) x シャドウボクシング
          + (拡散レンズ + フォーカスレンズ + ヒネリレンズ)

【目次】

第1章 インサイトが戦略に命を吹き込む
      1 「ユニークさ」が勝てる戦略のカギ
      2 戦略論プラスアルファを生み出す技=インサイト


第2章 思考の「スピード」を上げる
      1 論理的思考の積み上げは時間がかかる
      2 スピードは「(パターン認識+グラフ発想)xシャドウボクシング」
      3 戦略論のエッセンスでパターン認識する
         (1)コスト系:スケールカーブ/経験曲線/コストビヘイビア
         (2)顧客系:セグメンテーション/スイッチングコスト/ロイヤリティ・ブランド
         (3)構造系:V字カーブ/アドバンテージ・マトリクス/デコンストラクション
         (4)競争パターン系:先行利得/先制攻撃
         (5)組織能力系:タイムベース競争/組織学習・ナレッジマネジメント
      4 グラフ発想でスピードシミュレーションする
         右脳を使って事象をとらえる
         グラフ発想と「図で考える」の違い
         グラフ発想とパターン認識を結びつける
         「脱平均」の意識でグラフをながめる
      5 シャドウボクシングを行う−右脳と左脳のコラボレーション


第3章 3種類のレンズで発想力を身につける
      1 3種類のレンズで事象を見る
      2 視野を広げる”拡散”レンズ
         (1)ホワイトスペースを活用する
         (2)バリューチェーンを広げる
         (3)進化論=長い時間軸で考える
      3 狭く深く見る”フォーカス”レンズ
         (1)ユーザーになりきる
         (2)テコを効かせる
         (3)ツボを押さえる
      4 思考をジャンプさせる”ヒネリ”レンズ
         (1)逆バリする
         (2)特異点を探す
         (3)アナロジーで考える


第4章 インサイトを生み出す「頭の使い方」を体験する
      1 インサイトを構成する要素
      2 インサイトを生み出す「頭の使い方」
         (1)仮説のネタをつくるためにデータ収集
         (2)シャドウボクシングで仮説を進化させる
         (3)「アナロジー」、そして「ユーザーになりきる」
         (4)競合優位をどこで獲得するのか
         (5)顧客のロイヤリティを獲得する
         (6)戦略案の全体像をまとめる


第5章 チーム力でインサイトを生み出す
      1 異質の人材を組み合わせる
      2 クリエイティビティを刺激する「雰囲気」と「ルール」