『井上成美』   阿川弘之 著


井上成美 (新潮文庫)

井上成美 (新潮文庫)


【所感】
・これも8時間くらいか。
「山本五十六」「米内光政」に続いて、阿川氏の海軍三部作ということで、購入。
・3部作を通じて、日本帝国海軍に、しかも、偉い人に少数であったかもしれないけど、太平洋戦争を避けようとしていたこと、そして、その人達が、戦争を終結させたこと、が描かれていました。この少数の、というところが、やっぱ、ドラマなんだろうなぁ。不思議なのは、その少数が、当時海軍でトップにいた、という点。陸軍には、それが無いというか、本書は海軍の話なので、陸軍の詳しい話は不明なれど無さそうという比較で、非常に興味深いところ。「山本五十六」でチラっとでてきたけど、石原莞爾あたりは、もしかしたら、ポテンシャルのあった人だったのかもしれない。でも、すぐに予備役なわけで・・・。
・個人的には、米内みたいなキャラに憧れるが、なれない。同じくらい五十六にも憧れるけど、これも、近づけそうにない。井上には憧れないけど、立派だと思うし、尊敬の念もある。そういう人達が海軍にはいて、ちゃんと偉くなったというのは、井上に言わせると、海軍士官学校のエリート教育であり教養の賜物ということらしい。今思えば、自分もそういう教育に近いところで育ったんだから、ちゃんと先生の話の一つくらい聞いておけば良かった、と後悔する次第。でも、そんなことを語る先生、果たして、俺らの時にも、まだいたのか?
・そういえば、太平洋戦争物をちゃんと読むのは、かなり久方ぶり。