『コトラーのマーケティング戦略54』   中野明 著

今日から即使える コトラーのマーケティング戦略54

今日から即使える コトラーのマーケティング戦略54


【所感】
・現代マーケティングの父 フィリップ・コトラーの大著『マーケティング・マネジメント』から『マーケティング3.0』までのエッセンスを54項目に整理してくれた一冊。
 
・図とか表も多くてわかりやすいのだけど、正直、この1冊でコトラーが理解できる、というのは、やはり厳しいような気もする。むかし、コトラーの分厚いのを読んだ人が、これを読むと、良い感じに思い出されて良い、とか、大学生とかが、まず、これを読んで、全体像のイメージをもって、原著に挑むとか、そんな使い方が良いのかなっと思った次第。見方によっては、日々進歩して新しいコンセプトが出てきてるマーケティングの中で、コトラーを軸にその全体像を整理してくれてる、とも言える内容。
 
マーケティング1.0が、製品管理に焦点を合わせたマーケティング、とのこと。マーケティングミックス、4Pの時代かな。需要よりも供給が少なかった時代ともいえるのか。
 
マーケティング2.0が、製品中心から顧客中心へ。STPの時代か。需要に供給が追いついた時代とも言えるか。
 
マーケティング3.0が、今。製品だけでなく、顧客と企業がより全人格的に近しくなるみたいな感じか。なんというか、昔ながらの消費、というよりも、付き合い、とか、そんな感じか。人格的に尊敬できる人が作った製品を使いたいよね、みたいな。お金もってるだけの人より、優しさもある人と一緒にいたい、とかに近いような。需要よりも供給の方が完全に多い時代とか、製品以外の情報が豊富に流通する時代、とも言えるのか。
 
マーケティング本、久々だったのもあって、いろいろとアタマの中が整理されて、ちょっとスッキリした読後感。

   
    
【目次】

1.マーケティング3.0とは何か
   1)マーケティングとは何か
   2)「顧客の創造」とマーケティング
   3)ニーズ・ウォンツ・需要
   4)マーケティング3.0への移行
   5)参加の時代
   6)協働マーケティング
   7)グローバル化パラドックスの時代
   8)文化マーケティング
   9)クリエイティブ社会の時代
  10)スピリチュアル・マーケティング
  11)3iモデルの推進

Column1 ミッション・ビジョン・価値観

   
2.マーケティング戦略の推進
  12)マーケティングの基本プロセス
  13)マクロ環境とミクロ環境
  14)イノベーション普及理論
  15)キャズム
  16)SWOT
  17)セグメンテーション
  18)ターゲティング
  19)ポジショニング
  20)ラテラル・マーケティング

Column2 ストーリー・マーケティング

  
3.マーケティング・ミックスの進展(マーケティング戦術)
  21)マーケティング・ミックス
  22)4Pから4Cへ
  23)顧客価値分析
  24)顧客ロイヤルティ
  25)プロダクトの本質
  26)サービスの本質
  27)サービス・プロフィット・チェーン
  28)ブランド戦略
  29)ブランド・エクイティ戦略
  30)プライシング
  31)製品ミックスによる価格戦略
  32)サプライ・チェーン

Column3 垂直的マーケティング・システム

  
4.マーケティング・コミュニケーションの展開
  33)統合型マーケティング・コミュニケーション
  34)広告戦略
  35)パブリック・リレーションズ
  36)セールス・フォース
  37)セールス・プロモーション(SP)
  38)経験価値マーケティング
  39)リレーションシップ・マーケティング
  40)ノンカスタマー
  41)ダイレクト・マーケティング
  42)インターネット広告
  43)ネット化する4媒体
  44)サーチエンジンマーケティング
  45)ソーシャル・メディア
  46)行動ターゲティング広告
  47)ニューロ・マーケティング

Column4 購買行動プロセス

  
5.社会的責任マーケティングの時代
  48)ホリスティック・マーケティング(=39x33x27x49)
  49)社会的責任マーケティング
  50)コーズ・リレーテッド・マーケティング
  51)ソーシャル・マーケティング
  52)ソーシャル・ビジネス・エンタープライズ
  53)ボトム・オブ・ピラミッド
  54)変化を生み出す3段階