『タックス・シェルター』   幸田真音 著

タックス・シェルター (新潮文庫)

タックス・シェルター (新潮文庫)

 
【所感】
経済小説というカテゴリーに入るかもしれないけど、複雑なところはあんまりなくて、人生におけるお金、とか、税金と人生、とか、そんな感じのヒューマンドラマな一冊。
 
・将来、俺は、稼ぐぜー、とか、親が大金持ちで相続すると大変、といった人が、その心積もりをするときに読むのとかよさげ。

・昔、「普通に、お金で買える幸せも、買えない。。。」って言ってた人がいたけど、生きてくのに必要な分以上のお金をもっちゃうのは、不幸のはじまり、というか、生きてく以上のお金をもったときのお金の使い方、って、ほとんどの人は知らないわけで、なんというか、難しい。
 
国税官をはじめとした税務署にお勤めの人は、必要な仕事だし、大変な仕事で、頭があがらないと思うのだけど、一般社会で、例えば、合コンとか、子供の学校とか、ふとしたプライベートな場で、かなり嫌われてるのは知らんかった。っちゅーか、国税官で、幸せな人って、いるのかしらん。仕事も大変だし、社会の目も厳しいし、給料というかそれなりに安定してるけど、結構、みんなして幸せ度合いが少ない職業なのかも、と心配になった。

・ただ、個人的には、徴税する係りになりたい、なら、もしくは、その現場を知ってるなら、せっかく優秀なんだから、そのイタチゴッコのプレイヤーになるのではなくて、その制度を改善する係りになってもらいたいとも思う、かも。
 
・金融マーケットがここまでグローバル化しちゃうと、国税というか、国家は、ちょっと後手だし、厳しいかもなー。