『沖縄生活誌』   高良勉 著

沖縄生活誌 (岩波新書 新赤版 (966))

沖縄生活誌 (岩波新書 新赤版 (966))

 
【所感】
・2005年の本。1949年沖縄生まれの著者が描く、沖縄生活誌。著者が育った時代が中心だけど、その後の変遷もあるので、沖縄生活史という側面もあり。著者は、戦後生まれのアメリカ占領下育ち、学生運動真っ盛りの頃、日本に留学経験があって、公務員で、教育者で、詩人で、知識人。沖縄に対する愛情溢れる一冊。なんというか、単なる郷土愛を越えた何かを感じる次第。沖縄にはまる人が多いところを見ると、沖縄って、なんか、得体の知れない魅力がある、っか。
 
・かく言う自分も、若干、沖縄にははまり気味。ご先祖様は、沖縄人なんじゃないか、とか思いたいような。
 
・季節毎に、その時期のイベントを中心に、食や風習が綴られていて、それぞれに、歴史的な背景やご自身の体験をふまえ解説というか語ってくれてる。どの事項も、まー、見事に、現代とは、もとい、自分の今の生活とは、大きく違う。団塊の世代であれば、日本全国どこも似たようなことだったのかもしれない。そういう意味では、本書は、沖縄生活誌だけど、世代間ギャップの方が大きいとすれば、団塊世代の少年少女生活史、といった捉え方になるのかも。


 
【本書内で紹介されていた本】 いつか時間を取って読んでみたい・・・

女の民俗誌 (岩波現代文庫―社会)

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海辺の生と死 (中公文庫)

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忘れられた日本人 (岩波文庫)

忘れられた日本人 (岩波文庫)

をなり神の島 1 (東洋文庫 227)

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神と村

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中山世鑑―重新校正 (1982年)

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定本 琉球国由来記

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沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

新南島風土記    岩波現代文庫―社会

新南島風土記 岩波現代文庫―社会

沖縄俳句歳時記 (1985年)

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僕は文明をかなしんだ―沖縄詩人・山之口貘の世界

僕は文明をかなしんだ―沖縄詩人・山之口貘の世界

なぜ、植物図鑑か―中平卓馬映像論集 (ちくま学芸文庫)

なぜ、植物図鑑か―中平卓馬映像論集 (ちくま学芸文庫)

黒い皮膚・白い仮面 (みすずライブラリー)

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「ヤポネシア論」の輪郭 島尾敏雄のまなざし (タイムス選書2・3)

「ヤポネシア論」の輪郭 島尾敏雄のまなざし (タイムス選書2・3)

決闘写真論 (朝日文庫)

決闘写真論 (朝日文庫)

日本の写真家〈36〉中平卓馬

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沖縄・根からの問い―共生への渇望 (1978年)

沖縄・根からの問い―共生への渇望 (1978年)

南島歌謡大成〈1〉沖縄篇 (1980年)

南島歌謡大成〈1〉沖縄篇 (1980年)

死の棘 (新潮文庫)

死の棘 (新潮文庫)

出発は遂に訪れず (新潮文庫)

出発は遂に訪れず (新潮文庫)

「ヤポネシア論」の輪郭 島尾敏雄のまなざし (タイムス選書2・3)

「ヤポネシア論」の輪郭 島尾敏雄のまなざし (タイムス選書2・3)

古琉球 (岩波文庫)

古琉球 (岩波文庫)

鮪に鰯―山之口貘詩集 (1972年)

鮪に鰯―山之口貘詩集 (1972年)

魯迅選集 (第13巻)

魯迅選集 (第13巻)

反国家の兇区―沖縄・自立への視点

反国家の兇区―沖縄・自立への視点

地に呪われたる者 (みすずライブラリー)

地に呪われたる者 (みすずライブラリー)



 
【目次】

    正月 − 黒砂糖の香り
    春  − うらこやはひ
    夏  − 芭蕉布ゆれて
    秋  − サシバ渡る
    少年の志・琉球弧の夢 − 生活誌の最後に