『EXIT 売却』   勝間和代 原案 ・ 奈部真 作

EXIT 売却

EXIT 売却

 
【所感】
・久々のM&Aモノ(小説仕立て)、ん、逆だ、小説(M&Aがテーマ)。キッカケとして、勝間氏が原案でなければ、手にしなかったとは思う。逆に言えば、あの勝間氏のM&Aモノって、という期待で一読。
 
・今までに読んだM&Aモノとか経営改革モノの小説と、大した違いが無くて、勝間氏分の期待があっただけに、残念。敢えて、違いがあるとしたら、主人公が30歳前後の女子であること、くらい、か。とはいえ、高校時代に囲碁で全日本とか、普通の女子が主人公ではない。あとは、経営指南書とかに軸は無いので、フレームワークの細かい解説や使い方とか、そーいうのは無い。
 
・とはいえ、この手の本を読んだこと無い人にとっては、面白い内容だと思う。わかりやすいし、テンポも良いし。他書よりテンポが良いのと、主人公の心理描写が多いのが特徴かな。業界とかM&Aとか、そーいうあたりを知らない人でも、楽しめる作り。PEを目指す学生とか、彼氏がPEで働いてる彼女とか、PEと仕事する(買収されるとか)ことになった普通のサラリーマンとか。
 
・主人公が、たまの休日に、南の島の高級リゾートに一人旅とか、会社から帰って、シャンパンとか、車はBMWとか、気合のプレゼンは、お気に入りのジルサンダーのスーツとか、なんというか、社会として、懐かしい価値観に感じた次第。10年、とか、5年くらい前って、こーいうのが、まだ普通だった、というか、実践してる人は羨ましがられて、実践する経済力が無い人も憧れるような、若い人は将来稼いだらそーいうことしてみたいと思うような、価値観だったよーにも思うけど、この何年かで、いっきに、この辺の価値観が社会として、変わってる?かも、とか思った。

・そういえば、80年代って、こういう小説とかドラマの主人公は、商社マン、が多かったかも。