『サブプライム後に何が起きているのか』 春山昇華 著
- 作者: 春山昇華
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/04/09
- メディア: 新書
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【所感】
・「サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉」の続編。 2008年4月の本、なので、リーマンショックより前。その段階で本書を読んでいれば、リーマンショックを予見できた、かも、しれん。少なくとも、意外な事件というよりは、ついに来たか、と思えたはず。
・「サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉」の続編なので、前著を読んでから本書を読んだ方が良い内容。内容としては、サブプライム問題の周辺(金融機関のその後・レバレッジ・モノライン・格付・SWF)の解説と世界経済の今後の展望、といったところ。
・著者が言うに、歴史的に、覇権国家の条件 として、言及されてるのが、
1.大量の資金をもち、他国への貸付・投資を通じて、支配。
2.大規模な内需をもち、他国へ開放し、輸入を通じて、他国を潤す。
の2点。その前提で、ポストアメリカは、中国かイスラムとして、意見が述べられている。個人的には、アメリカの次、か、遅くとも、次の次には、この覇権国家のルールが変わるのではないか、と、期待。
【目次】
プロローグ
第1章 窮地に陥った金融機関
第2章 突如として表舞台に登場した国富ファンド(SWF)
第3章 レバレッジ・バブルの「正体」
第4章 モノライン − 格付けの「罪」と、投資家のレバレッジ信仰
第5章 世界金融維新
覇権の歴史 ローマ帝国
アヘン戦争は貿易赤字を取り戻すための「苦肉の策」
次の覇権国はアメリカによって開発され発展をとげる国だ
通貨下落の意味
双子の赤字は世界が許しているから
アメリカは、すぐには死なない
次の覇権国は「中国」か
「黒猫白猫」
消費をしまくるアメリカ経済と製造をしまくる中国経済
日本の「金融自由化」が何をもたらしたかを中国は学んだ
イスラム圏が覇権国になる可能性はあるか
企業はますます「持たない経営」に向かう
国富ファンドがアメリカを救おうとしている
不景気の株高はありえるのか
スポンサーが変われば、スポンサーが喜ぶことも変わる第6章 日本は昇るのか、沈むのか
リスクをとり人を叩いてはならない
トヨタと任天堂が開拓した「2つの道」
日本人は中途半端に豊か
モノの輸出から、お金の輸出へ
知識の役割が変わりつつある
知恵とお金を上手に結合することが重要