『さあ、才能に目覚めよう あなたの5つの強みを見出し、活かす』   マーカス・バッキンガム、ドナルド・O・クリフトン 著

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす


【所感】
・勝間さん絶賛の本書。Webと連動して、才能テスト(Strength Finder)してくれて、その解説書。

・本に一つずつIDがあって、それでログインするので、古本で買っても意味がないつくり。ビジネスとして、上手い。これ、ネットで完結するサービスとしても可能だけど、そうすると、1600円を払う人が格段に減ったんじゃないかなって思う次第。サービスの本質をネットにおいて、お金の取り方を既存のモデルで行うというのは、過渡期の現在では秀逸。

・テストが、ちょっと長いけど、まー、なんとか許せる範囲か。

・解説書により、才能とは?から始まって、その才能の活かし方までを記載。34の才能ごとに書いてあるから、5つが診断されると、読むところがトタンに減る。会社とかで、部署とかで、みんなでやると面白いんだろうなぁ、と思う。

・結果としては、あんまり意外性がなくて、ちょっと残念。自分の才能について新しい発見があった、というよりも、そうだよなぁ、と思った次第。予測の範囲というか。ただ、テスト中から思ってたのが、最近というかここ10年くらい考えることを考えたりしてきた結果として、「学習欲」、「未来志向」あたりは、身についた感がある。「達成欲」は、無いものねだりというか、現状への不満の裏返しみたいな。「最上志向」は、まわりに凄い人が多いから、な気が。まわりの人との平均を目指すだけで、世間の最上志向になっちゃうような。要するに、本書が主張する先天的な能力や才能、という意味では、慎重さだけは、同意するけど、あとはなあ、ちょっと違うかもなぁ、とか思ったりした次第。

・先天的か後天的かは別として、現状の志向性としては、大いに同意するわけで、それを伸ばす云々というくだりは納得。ただ、で、どうすりゃいいの、ってのは、これまた難しいわけで。と思うと、会社の部署とか皆でやったりする方が、で、どうする、ってのが、同僚のアドバイスや上司の協力が期待できて、現実的なのかもしれん。

・文量としては、才能の説明が多いのだけど、重要なのは、その才能をどう活かすか、才能を活かすには、個人はどうすべきか、組織はどうすべきか、という事らしい。当たり前か。きっと、そんな事を考えてる人事部がある日本企業って、ねーんだろーなぁ。これできたら、凄いな。人事コンサルティング会社とかで、こういったメソッドを持ってるところはあるのかな。



【診断結果】

学習欲
あなたは学ぶことが大好きです。あなたが最も関心を持つテーマは、あなたの他の資質や経験によって決まりますが、それが何であれ、あなたはいつも学ぶ「プロセス」に心を惹かれます。内容や結果よりもプロセスこそが、あなたにとっては刺激的なのです。あなたは何も知らない状態から能力を備えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て移行することで活気づけられます。最初にいくつかの事実に接することでぞくぞくし、早い段階で学んだことを復誦し練習する努力をし、スキルを習得するにつれ自信が強まる――これがあなたの心を惹きつける学習プロセスです。あなたの意欲の高まりは、あなたに社会人学習――外国語、ヨガ、大学院など――への参加を促すようになります。それは、短期プロジェクトへの取組みを依頼されて、短期間で沢山の新しいことを学ぶことが求められ、そしてすぐにまた次の新しいプロジェクトへに取組んでいく必要のあるような、活気に溢れた職場環境の中で力を発揮します。この「学習欲」という資質は、必ずしもあなたがその分野の専門家になろうとしているとか、専門的あるいは学術的な資格に伴う尊敬の念を求めていることを意味するわけではありません。学習の成果は、「学習のプロセス」ほど重要ではないのです。


慎重さ
あなたは用心深く、決して油断しません。あなたは自分のことをあまり話しません。あなたは世の中が予測できない場所であることを知っています。すべてが秩序正しいように見えますが、表面下には数多くの危険が待ちかまえていることを感じ取っています。あなたはこれらの危険を否定するよりは、一つひとつを表面に引き出します。そうして、危険はひとつずつ特定され、評価され、最終的に減っていきます。いうなれば、あなたは毎日の生活を注意深く送る、かなりまじめな人です。例えば、何かが上手くいかない場合に備えて、あらかじめ計画を立てることを好みます。あなたは友人を慎重に選び、会話が個人的な話題になると、自分のことについては話しをせず、自分自身で考えることを好みます。誤解されないように、過度に誉めたり認めたりしないように気をつけます。人になかなか打ち解けないという理由で、あなたを嫌う人がいても気にしません。あなたにとって、人生は人気コンテストではないのです。人生は地雷原を歩くようなものです。そうすることを望むならば、他の人は用心せずにこの地雷原を駆け抜けるかもしれません。しかし、あなたは違う方法をとります。あなたは危険を明確にし、その危険が及ぼす影響を推し量り、それから慎重に一歩ずつ踏み出します。あなたは細心の注意を払って進みます。


最上志向
優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要し、あなたはそこに全く意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めるのも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。自分自身のものか他の人のものかに関わらず、強みはあなたを魅了します。真珠を追い求めるダイバーのように、あなたは強みを示す明らかな徴候を探し求めます。生まれついての優秀さ、飲み込みの速さ、一気に上達した技能――これらがわずかでも見えることは、強みがあるかもしれないことを示す手がかりになります。そして一旦強みを発見すると、あなたはそれを伸ばし、磨きをかけ、優秀さへ高めずにはいられません。あなたは真珠を光り輝くまで磨くのです。このように、この自然に長所を見分ける力は、他の人から人を区別していると見られるかもしれません。あなたはあなたの強みを高く評価してくれる人たちと一緒に過ごすことを選びます。同じように、自分の強みを発見しそれを伸ばしてきたと思われる人たちに惹かれます。あなたは、あなたを型にはめて、弱点を克服させようとする人々を避ける傾向があります。あなたは自分の弱みを嘆きながら人生を送りたくありません。それよりも、持って生まれた天賦の才能を最大限に利用したいと考えます。その方が楽しく、実りも多いのです。そして意外なことに、その方がもっと大変なのです。


達成欲
「達成欲」という資質は、あなたの原動力を説明する助けになります。達成欲は、何かを成し遂げたいという恒常的な欲求を示しています。あなたには、毎日がゼロからのスタートのように感じられます。あなたは自分自身に満足するために、一日が終わるまでに何か具体的ことを成し遂げなければなりません。そしてあなたにとって「毎日」とは、平日も週末も休日もすべてを含めた一日一日を意味します。休みを取ったとしても、何も達成することなくその休んだ日が過ぎてしまうと、あなたは不満に感じるでしょう。あなたの中にある炎が、次から次へとあなたを行動に駆り立てます。一つ何かを成し遂げるとその炎は一瞬しずまりますが、またすぐに燃え出し、次の目標へまた次の目標へと、強制的にあなたを前進させ続けます。達成に対するあなたの執拗な欲求は、必ずしも論理にかなっていないかもしれません。方向すら定まっていないかもしれません。しかし、飽くことを知らず常にあなたについて回ります。達成欲の旺盛なあなたは、このわずかに満たされない気持ちとうまく付き合っていけるようにしなければなりません。なにしろ、この気持ちにはそれなりの利点があるのです。長い時間燃え尽きることなく働くために必要なエネルギーを、あなたに与えてくれます。新しい仕事や難しい仕事に取りかかる時、いつでも頼ることができる起爆剤なのです。これがエネルギーの源となって、あなたは職場のチームが働くペースを設定し、生産性のレベルを定めることができます。これが、あなたを動かし続ける資質なのです。


未来志向
「もし・・・だったら、どんなに素晴らしいだろうなぁ」と、あなたは水平線の向こうを目を細めて見つめることを愛するタイプの人です。未来はあなたを魅了します。まるで壁に投影された映像のように、あなたには未来に待ち受けているかもしれないものが細かいところまで見えます。この細かく描かれた情景は、あなたを明日という未来に引き寄せ続けます。この情景の具体的な内容――より品質の高い製品、より優れたチーム、より良い生活、あるいはより良い世界――は、あなたの他の資質や興味によって決まりますが、それはいつでもあなたを鼓舞するでしょう。あなたは、未来に何ができるかというビジョンが見え、それを心に抱き続ける夢想家です。現在があまりにも失望感をもたらし、周囲の人々があまりにも現実的であることが分かった時、あなたは未来のビジョンをたちまち目の前に呼び起こします。それがあなたにエネルギーを与えてくれます。それは、他の人にもエネルギーを与えます。事実、あなたが未来のビジョンを目に浮かぶように話すのを、人々はいつでも期待します。彼らは自分たちの視野を広げ、精神を高揚させることができる絵を求めています。あなたは彼らのためにその絵を描くことができます。描いてあげなさい。言葉を慎重に選びなさい。できる限りその絵を生き生きと描きなさい。人々はあなたが持ちこんで来る希望につかまりたくなるでしょう。

【目次】

   はじめに 企業における「強み革命」
   第Ⅰ部  強みお解剖する
           第1章 強固な人生を築く
           第2章 強みを築く
   第Ⅱ部  強みの源泉を探る
           第3章 強みを見つける
           第4章 34の強み
   第Ⅲ部  強みをビジネスに活かす
           第5章 疑問を解く
           第6章 強みを活用する
           第7章 強みを土台にした企業を築く