『マネーロンダリング入門』   橘玲 著

マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)

マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)


【所感】
・ざっくり3時間くらい。

・その名の通り、マネーロンダリングの入門書。マネーロンダリングってどんなの?みたいなことを、実際の事例を元に、わかりやすく説明してくれてる。事情を持ってる人が、本書を読めば、マネーロンダリングができる、というようなマニュアル書ではない。サスペンス小説とか経済小説が好きな人が、予備知識的に読むと面白いよね、という感じか。でも、オフショアとか海外口座とか海外送金とかって、なーんも予備知識が無いと、本書でも取っ付きにくいかもしれん。せめて、貿易業務とかで、海外送金とかの経験がある人とか、一回でも外為法を読む機会があった人、とかだと、本書は丁度良いのかも。とにかく、オフショアになると、国内での送金とか、銀行ATMでの国内振込みとは、全然違う、というのを知らないと。

・本書の事例からすると、マネーロンダリングって、次の4種類に分けられるっぽい。
         節税・脱税を目的とするもの
         不法に稼いだお金の痕跡を消すことを目的とするもの
         国家規制の壁を抜けて送金することが目的とするもの
         株価操作や粉飾決算を目的とするのも
 その目的によって、対象者が異なるし、たぶん、対応する法律も微妙に替わってくるかな。

・個人的には、節税をしたくなるくらい税金を払うくらい、稼いでみたい、とは思う。で、節税とか脱税で悩む気持ちになってみたい。逆に、海外に出稼ぎにいって、国に送金するのに、手数料が法外で、地下銀行の送金システムを利用する、みたいな事にはならない人生を希望。でも、早ければ10年後、遅くても30年後は、そうなってるかもしれん。そんな状況で、故国の家族へ送金する手数料が法外って、なんか理不尽で納得いかないだろうなぁ。



【目次】

     第1章 世にも奇妙な金融犯罪
     第2章 プライベートバンクの憂鬱
     第3章 北朝鮮はなぜ核兵器が必要なのか
     第4章 世界でいちばん短いマネロンの歴史
     第5章 誰でもできるマネロン