『戦いいまだ終らず』   落合信彦 著

戦い いまだ終らず (集英社文庫)

戦い いまだ終らず (集英社文庫)


【所感】
・始めての落合本。昔、ホットドックプレスにコラムを書いてたときから、名前は知ってたけど読むのは初めて。なんとなく、落合本を読んでみたいと思い、たまたま手に取った一冊。テンポよく、4時間ほどで完読。 
 
・落合氏が、日本を舞台として書いた最初の作品らしい。前半は、満州終戦・シベリア抑留、後半は、起業・企業再生といったテーマ。これだけ見ると、「不毛地帯」っぽいのだけど、あっちは、瀬島龍三氏がモデルで、こっちは、坪内寿夫氏がモデルらしい。ちなみに、本書において、小島という名前で、瀬島氏がモデルと思われる人物が登場。まー、小説の長さが大きく違う。あっちは、文庫で4冊、こっちは文庫で1冊。 
 
・企業再生とか経営改革とかは以前に読み込んでたけど、今回は、落合ハードボイルドのつもりで、どっちかってーと、満州というキーワードで手にしてみた。そもそも、坪内氏は名前しか知らなかったし、佐世保重工業の話も知らなかったから、結果的には、企業再生本として、勉強になってしまった。逆に、満州の方は、あんまり記述がなくて、当初の期待には外れてしまった。 
 
・しかし、政治とか大企業病とか構造改革とか組織改革とか、当時から30年とか経ってるのに、今もあんまり変わらないという感想。日本人は何をやっているのだか、何をやってきたのだか。。。そういう意味で、まったく古さを感じさせない一冊。