『虚像 メディア の砦』   真山仁 著

虚像の砦 (講談社文庫)

虚像の砦 (講談社文庫)


【所感】
・いやー、展開が早くて、面白く読めました。4時間くらいっか。次々と起きる事件が、具体的な事件をそれぞれに想像させてくれて、その想像があるのが、現実感が増すというか、理解が進むというか、話にのめり込めたというか。 

・本書にあるようなテレビ業界の膿が、2009年には、いよいよ顕在化してくるのかも。事件は別としても、少なくとも、事業とかビジネスとしては、正念場の年になるんだろうなぁ。テレビが食えないとなると、タレント関係者が大変だろーなぁ。テレビ前時代みたく、映画とか興行とかに戻るのかな。大御所系の人達も大変だしなぁ。芸の無い芸能人、受難だなぁ。 

・そーいえば、子供の頃、テレビ局のディレクターになりたかった時期があったことを、主人公の風見を通して思い出した。もし、子供の頃の希望通りそうなってたら、風見くらいの歳なわけで、風見のように動けたのか、動いたのか、とか想像すると、ますます興奮度が高まった4時間。 

・著者の意図がどこにあるかは別にして、ビジネスの構造的な課題を浮き彫りにする手法として、学校の教科書とかみたく分析的なアプローチ(だけ)ではなくて、小説って、一番適してる表現手法だなぁ、という思いをさらに強めた感あり。