金融危機の日本のネット業界への影響は?
一連の金融危機が、今日は、日経平均も、9000円台まで回復し、円高も、98円台まで戻り、なんとなく、小康状態になってきた感じ。とはいえ、投資銀行が崩壊したり、アメリカの信用状況や内需が壊れたのは変わりなく、自分に近しいネット業界の今後への影響や動向について、論点を確認したくて、調べてみた。
これまで起こった事とかは、『激論!”世界金融危機とニッポン” (朝まで生テレビ)』で、なんとなくわかったつもりになってるから、その続きみたいところを知りたくて、ネットを徘徊。いろんな人がいろんな風に解説してくれてたけど、非常に解かり易かったのが2つ。
【大前研一氏コラム】
『「禁じ手」を使わざるを得ない米国』によると、今回の金融危機には、今後、次の3つのフェーズがあると。
1.流動性危機
2.不良債権問題
3.貸し渋りによる企業の倒産(倒産・失業・不景気の継続)
で、今は、フェーズ1であると。基本的には、フェーズ1→フェーズ2→フェーズ3の順に進んでいくはずだが、各国中央銀行の初期動作を誤ったため、フェーズ3にいきなり突入し、1・2・3へ同時に突入していく可能性があると。(これが、米国だけなのか世界なのかは、不明。文脈的には、米国が最も激しいけど、その波は世界中に波及する、という感じか。)
この米国の金融危機の日本への影響についても言及がある。
1.実需の循環:
アメリカは、失業対策・雇用確保のため、海外に出ている仕事を国内に戻し、
輸入から国内生産へのシフトを図るだろう。中国は米国への輸出で経済が潤ってきた、
つまり、米国の輸入→中国の好景気→日本の中国特需の好循環が逆流する。
中国特需が大きかった重厚長大産業は直撃。インドも同様。
2.金融
今後、FRBは、1.5兆ドルあるCPを買い上げていく。FRBが買うということは、
米国債やドルを印刷することになる。それはドルの信用低下、希釈につながるから、
状況はさらに恐ろしいことになるだろう。
【鈴木貴博氏コラム】
『不況下における経営者の正しい”選択肢”』によると、今は不況の序章で、今後想定される二次災害として、2つの過剰なコストカットを指摘してくれてる。大前氏の言う3の延長というか、不景気が長引くところみたいなところ。
<不況の序章>
金融機関が「リスクの高い債権を大量に抱えた」
→ 「流動性の危機」=「キャッシュがない」状況
→ 顧客企業への貸し渋り・貸し剥がし
→ 顧客企業への「流動性の危機」の波及
→ 銀行も顧客企業も「資産の切り売り」
→ 株安・円高
<二次災害その1>
不況 → 売上減少予測 → コストカット → 恐慌の”二次災害”=過剰コストカット
本来のコストカット:営業キャッシュフローがマイナスにならないところまで
過剰コストカット:最終利益が赤字にならないところまで
ほとんどの上場企業経営者は、過剰を選択 ← 株主の意向 P/L>C/F
過剰コストカット = 必要な部分のコストカット
<二次災害その2>
不況 → 競争激化=過度な値引き → 粗利減少 → 更なるコストカット
とりわけ、R&Dなど”将来の顧客”のための費用といった投資的費用をカット
【まとめ】
なるほど、なるほど、コンサルタントの人は、世の中に詳しくて、素敵です。解かりやすく纏めてくださって、有難うございます。日本のネット業界への影響という意味では、どうやら、2つの側面で考えればよさげ。
1.短期的・直接的なキャッシュの側面:資金調達が厳しくなることの影響
2.中長期的・間接的な売上の側面:顧客企業や顧客消費者の需要悪化に伴う影響
長くなったので、続きは別途。