『激論!”世界金融危機とニッポン” (朝まで生テレビ)』   テレビ朝日

【テーマ(番組ホームページより)】

 麻生政権発足から約1ヶ月。そして今、世界は未曾有の金融危機にあり、市場は乱高下の日々です。果たして、これが世界経済、そして日本経済にどう影響を及ぼすのか?国民生活はどうなるのか?予断を許さない状況にあります。
 そこで今回の「朝まで生テレビ!」では、解散総選挙も不透明な中ですが、政治は何をすべきか?そしてこの後に予想される経済危機をどうすべきか?等を徹底討論します。

番組での議論を省みながら、本件の論点を自分なりにまとめてみると、こんな感じか。番組で紹介されてる数字を拾ってないのが弱いし、そもそも詳しくないから間違いがあるかもしれん。



【今、超短期的に、何が起きているのか?】
・日本では、円高&株暴落。海外では、為替安&株安。東証は、PBR1倍未満という現状=安くなり過ぎてる。
円高の背景として、超短期的に、機関投資家が、今、損得を超えて、とにかく現金を必要としてて、現金化できるのが東京市場だけ。あとは、比較として、円が安全そうに見える。流動性の問題が発展。
日本株暴落の背景として、日本の上場企業の収益の源泉は海外で、海外市場の混乱&円高での輸出不振で、世界的に競争力の高い良い会社ほど下がってる。なぜなら、外国投資家がたくさんもってたから。



【なぜ、中期的に、金融危機になったのか?】
・きっかけとしてのサブプライムローン崩壊。サブプライムローンとは、≒詐欺とかマルチ、住宅担保のサラ金
・が、今の問題は、サブプライムローンをはるかに超えてる。CDOに混ざってた他のやばいのが露呈してきたから。で、それは、いくらかはわからない。CDOは世界中にばら撒かれて、アメリカだけの問題を超えてしまった。
・さらには、CDS≒企業の生命(死亡)保険みたいなもの。与信リスクのみの取引で、デリバティブの一種。これが、元本だけで6000兆円(世界のGDP5000兆円)問題は、連鎖倒産が計算に入っていないこと&格付会社の構造。
・要するに、サブプライムローンに端を発した不良債権不良債権を呼び、その持ち主が世界中にいること、持ち主が銀行であること、全部でいくらになるかわからないこと、で、金融不安とか流動性の問題に至っている、らしい。



【長期的に、構造的に、金融危機に至った原因は何か?】
・政治体制(市場との関わり方)の話と投資銀行の話
・政治体制の話
    大恐慌の時も恐慌前は自由放任主義だった
    歴史的経緯
      70年前後の統制経済の限界発覚
      80年代以降、米英の自由放任主義規制緩和の進展
      90年代以降、米英の自由放任主義の世界的波及
    バブルが知らないうちの弾けたんではなく、みんなバブルなのを知ってて今それが弾けた
      → 好循環はみんな喜ぶから止められない・無責任の連鎖
投資銀行の存在=無責任の最たるもの
    投資銀行インセンティブ制度とその高額度合
      レバレッジを30倍位かけてるから
      デリバティブ
    投資銀行と証券会社の違い
      出来高払いとサラリーマン
      米国国家戦略企業と日本国内中小企業



【日本経済において想定される今後の課題やリスクは何か?】
・株価7000円とかなったら、
   時価会計処理 → 12月末決算 = 1月末以降決算発表 → BS処理の可否
   貸し剥がし → 倒産
   CDS率 10%くらいでやばい → 潰れる会社が出る
・低金利・円安というここ10年間くらいの日本経済の枠組みも崩壊
ウォール街投資銀行などアメリカを中心とする国際金融秩序の崩壊と再構築
・世界的には、金融危機だけではなく、人類が生き続けられるかどうかという問題



【で、どうするか?どうなるか?】
・国際金融秩序の再構築の話と日本の話。

・国際金融秩序の再構築 → ミニマム3年はかかるだろう
   短期的な流動性の話と中長期の投資・融資の話
      短期的な流動性の国際協調はみえてきてる
   メインプレーヤーは、日・米・欧州・中東・中国・新興国(ロシア・ブラジル・インド・アジア)
      今、救える≒金があるのは、中東、中国、日本
         中東は、すでに騙されてるし、中国は、かしこい。
         残るのは、日本、っか? → 救済時の日本のメリットは何か?
   中期的な投資・融資については、
      アメリカのCDO≒不良債権処理については、短期的には国債だが、国債を買うのは誰か?
      日本の金でファイナンスすることになるのは、アメリカかアジアか欧州か?
   金融サミット
      金融サミットで何をやるのか? 決まるのか?
        短期的な流動性の確保・新興国への対応・新しい国際金融秩序の構築
      狙われてる日本 → 国際協調か? ババ引きか?
      新たな国際金融秩序
        反省の方向性(市場と政府≒規制)←グリーンスパンの反省の弁
          自由主義経済 = 欲望と欲望の戦い
          欧州は、秩序ある資本主義を目指す、とサルコジが言ってる
        秩序を取り戻す とは?=市場を前提として、市場の失敗への準備と対応が課題
   アメリカ大統領選挙への影響 → 選挙が終わらないと米国内の再編が始まらない
      アメリカは変わりやすい国、もちろん、新大統領は”変わり”にくる
      戦略産業の金融なき今、アメリカも物作りに来る → 製造業の国際競争激化懸念

・日本の選択肢
   国際金融秩序への貢献の話と国民をどう守るか(日本の経済構造)の話
   国際金融秩序への貢献
      日本のお金を何にどう使うのか? 1.日本国内 2.アジア
      アメリカに使うなら、「円建て米国債を出せ!」って、サミットでアメリカに言え
   日本の経済構造
      日本経済への輸出の貢献期待薄い ← アメリカを始め海外市場が当面縮小
      内需主導への構造転換
        規制強化で需要をつくる・家計所得を増やす をセットでやるべし by枝野氏
        家計所得を増やすには、中小企業対策・労働市場対策
        サービス産業の生産性向上
   日本の政治
      日本はアメリカの子分という刷り込み
        輸出で成長 一番の客はアメリカ 自民党は、その軸から脱却できない
      自民も民主もない 協力しろ!
        麻生と小沢は無理 幹事長同士でやれ 解散なんかしてる場合じゃない



【所感】
・大きな恐慌とか危機という意味よりも、世界的な金融秩序、ひいては、政治体制が新しくなる節目になるらしい、という意味で、なんか感動してる。そういった変動を目の当たりにできる感動。

・一方で、どうなるかわからんので、不安っちゃー不安。でも、他の国よりは、マシっか。



【パネリスト】
伊藤達也自民党衆議院議員)       声、素敵。でも、発言はいまいち。
大村秀章自民党衆議院議員)       何言ってるか全くわからん。早口だし。目が泳ぐのが弱い。
高木陽介公明党衆議院議員)       相変わらず、何言ってるかわからん。政治家っぽいなぁ。
枝野幸男民主党衆議院議員)       相変わらず、素敵。良いこと言うし。偉くなって欲しい。
大塚耕平民主党参議院議員)       切り口、話の転換、次の論点の提案が素敵。
大門実紀史日本共産党参議院議員)    後半、消えた。議員というより大学教授という感じ。
荻原博子(経済ジャーナリスト)       声と話し方で損してるが、とりあえず、議論の流れ理解して話せ。
勝間和代(経済評論家)           もっと話せばいいのに。動画でみたの初めてだ。
堀紘一ドリームインキュベータ会長)    相変わらず、情報量豊富。
水野和夫(三菱UFJ証券)         声と話し方、素敵。切り口もグッド。
森永卓郎(経済アナリスト)         極論にもってくの止めて欲しい。
ヤスパー・コール(元メリルリンチ)     ドイツ人らしいっか。外国人らしい発言、おもろい。


・個人的には、枝野氏・大塚氏・大門氏・勝間氏・堀氏・水野氏・コール氏の7名で議論して欲しかった。その議論の間で、自民党議員にコメント求める、くらいな感じで。


・政治家対決としては、民主>共産>自民 共産、一人なのに自民より存在感あった。自民も民主並みに、知識・情報をもってる人、出せばいいのに。枝野・大塚クラス、自民にいないのか?