『ピーター・ドラッカーの「イノベーション論」がわかる本』 中野明 著
ポケット図解 ピーター・ドラッカーの「イノベーション論」がわかる本
- 作者: 中野明
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2008/02/20
- メディア: 単行本
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【所感】
・あっと言う間の2時間ほど。
・「破壊的イノベーション」シリーズの一読がすんだので、イノベーションの本家?的なドラッカー氏のイノベーション論へ挑戦。
・中野氏のこのシリーズは、前回、「クレイトン・クリステンセンの破壊的イノベーション論がわかる本」に続いて2冊目。
・見開きで、右が図解、左が説明、字も大きく理解もしやすい。ただ、これだけ読んでも、やっぱ足りない、気がする。あくまで、本ちゃんを読む前のストレッチとか、本ちゃんを読んだ後のまとめや思い出しのための一冊とみた。
【各経営理論との関係性・位置づけ】
たぶん、「イノベーションと企業家精神」には、書いていないであろう他の経営戦略との関係性が説明されててグッド。本書によると、ドラッカーの言うマーケティングの流れとイノベーションの流れは、それぞれ、次のように繋がっているとのこと。シュンペーター氏・レビット氏以外の著作は読んだことがあったので、なんとなく位置づけが見えて、良かった感あり。
っつーか、シュンペーター氏とドラッカー氏、ドラッカー氏の父親経由で、知り合いだったとは、世の中狭い。どっちっかてーと、経済学寄りっぽいけど、シュンペーター氏の著作もそのうち読んどくかな。
マーケティング とは、
顧客というものをよく知って理解し、製品(ないしはサービス)が「顧客」に「ぴったりと合って」、ひとりでに「売れてしまう」ようにすること。
短期的視野で目の前にある明らかなニーズに対しては、マーケティングで対応する。
イノベーション とは、
人的・物的・社会的資源に対し、より大きな富を生み出す新しい能力をもたらすこと。
中長期的視野をもって、新たな顧客ニーズを創造すること。
イノベーション戦略の4類型
1.手薄なところを狙うこと
2.生態的ニッチを狙うこと
3.製品や市場の性格を変えること
4.総力かつ迅速であること
1.手薄なところを狙うこと
A.創造的模倣戦略 → セオドア・レビット氏の創造的模倣
B.企業家的柔道戦略 → クリステンセン氏の破壊的イノベーション理論
→ ジェフリー・ムーア氏のキャズム理論
2.生態的ニッチを狙うこと
A.料金所戦略
B.専門技術戦略
C.専門市場戦略
3.製品や市場の性格を変えること
A.効用創造戦略
B.価格戦略
1)スキミング価格戦略とペネトレイション価格戦略
2)価格の意図的な引き下げ
3)消耗品戦略
C.顧客の現実に合わせる戦略
D.価値戦略 → キム氏・モボルニュ氏のブルー・オーシャン戦略
【関連リンク】
中野明氏HP
【目次】
第1章 イノベーションとは何か (ドラッカーのイノベーション論の基本を理解する)
第2章 イノベーションの機会を見付ける1 (業界や市場の内部要因に対する着眼点)
第3章 イノベーションの機会を見付ける2 (業界や市場の外部要因に対する着眼点)
第4章 イノベーション実現のための戦略 (4つの基本戦略とその活用)
第5章 イノベーションを実現するためのマネジメント体制 (イノベーション推進組織の作り方)