『あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書』   保阪正康 著

あの戦争は何だったのか: 大人のための歴史教科書 (新潮新書)

あの戦争は何だったのか: 大人のための歴史教科書 (新潮新書)


【所感】
・ざっくり2時間とか3時間くらい。
・レベル感としては、日中戦争とか太平洋戦争への基礎知識が少ない人向け。高校生とかで、歴史の教科書読んだくらいの人が適当。
・なんで、個人的には、目新しい話がない、分析が浅い、とかで、ちと不満あり。後者については、すごい不満。新書にそこまで求める俺が悪いとも思うけど。
・分析の浅さは、外的要素=他国の意図や動きに言及がされていないところ、と、日本の構造が明治維新以降そうなるに至った経緯が無い、ところか。
・日本の戦争の不思議さは、個人や一定の集団が利己的な利益のために動いた結果ではなく、子供も新聞も軍人も老人も、すべからくみんなが、国のため、とか、天皇のため、というところで、走っていったところにあるわけで、そこを解き明かして欲しかった。
・もしくは、実は、個人の利益に走っていった誰かを特定するってのもありだったかも。



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【目次】

  第1章 旧日本軍のメカニズム
      1 職業軍人への道
      2 一般兵を募る「徴兵制」の仕組み
      3 帝国陸海軍の機構図

  第2章 開戦に至るまでのターニングポイント
      1 発言せざる天皇が怒った「2・26事件」
      2 坂を転げ落ちるように − 「真珠湾」に至るまで

  第3章 快進撃から泥沼へ
      1 「この戦争はなぜ続けるのか」 − 2つの決定的敗戦
      2 曖昧な”真ん中”、昭和18年

  第4章 敗戦へ − 「負け方」の研究
      1 もはやレールに乗って走るだけ
      2 そして天皇が動いた

  第5章 8月15日は「終戦記念日」ではない − 戦後の日本