『油断!』   堺屋太一 著




【所感】
・4時間くらいで、一気に読めました。
・日本に石油が入ってこなかったら、こうなっちゃいます、という小説。
・オリジナルは、1970年代半ば。オイルショックの後。なので、世界の状況や日本の国内の状況は、その頃のもので設定されてる。しかし、今、同じ小説を書いたとしても、政府の行動や国民の行動は同じような気がする。30年経っても、なーんも変わっていない、もしくは、もっと悪くなっている感あり。
・海外の状況は変わってるから、今、もう一度、同じ小説があっても面白いかも。石油だけでなく、穀物や水でも面白い。読みたい。3部作とかで。今だと、荒廃した日本で、海外拠点を多くもつ企業を中心に外資に買収されまくるんだろうか。もしかしたら、土地も買い占められるのだろうか。
・危機やリスクを共有する手段として、小説という手段は有効かもしれない。マーケティングでペルソナが云々と言われてるのにも、合い通じるのかも。
・石油が入ってこなくなって、半年くらい経ったあたりの描写は、「愛と幻想のファシズム」に出てきた荒廃した東京が目に浮かんだ。そういった描写は、堺屋さんより村上さんなのかもしれない。本職だし。とか思うと、70年代の「油断」→バブル時代の「愛と幻想のファシズム」という系譜なのか。