『イノベーションへの解 実践編 イノベーターの確たる成長に向けて』 スコット・アンソニー/マーク・ジョンソン/ジョセフ・シンフィールド/エリザベス・アルトマン 著
イノベーションへの解 実践編 (Harvard business school press)
- 作者: スコット・アンソニー,マーク・ジョンソン,ジョセフ・シンフィールド,エリザベス・アルトマン,クレイトン・クリステンセン,栗原潔
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2008/09/19
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 39回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
【所感】
・一ヶ月かけて、破壊的イノベーションシリーズ全4冊を一読終了。時間かかりすぎた。。。しかも、理解を深めるというか、まだ理解が浅いから、もう一回読みたいところ。
・「実践編」ということで、「イノベーションへの解」の続きというか実践編。ちなみに、全4作の位置づけは、
「ジレンマ」 基本的な問題の骨組みを提供
「解」 「ジレンマ」に対する概念的な回答
「明日は誰のものか」 外側からの業界分析が可能であることを解説
「実践編」 成長事業の構築とイノベーション能力の創造を確実に行う方法を企業内の人々に示すもの
・すごいね、この本。アメリカの著名な経営本にしては、マニュアル度が高いような。あんまりここまで親切な本はなかったような。日本には、難しい話を解かりやすく言い換えました的なカテゴリー多いけど。逆に、コンサルティング会社の人が書く日本の本は、概念的で具体的なものが少ないような。
・本書は、クリステンセン氏の関与度は低いけど、たぶん、経営戦略というカテゴリーで、クリステンセン氏、ポーター超えてんじゃね。
・概念的な話よりも具体的な指針が増えたからか、翻訳も読みやすくなって、10時間くらい、10時間かからなかったかも。
・本書にある手法、是非とも、我が社にも導入したい今日この頃。
【破壊的イノベーション体質修得まで3年】
本書によると、それなりの会社で、破壊的イノベーション体質に変わるまで、一声3年らしい。それって、長いのか、短いのか。短くする方法は何か?
イノサイト社にコンサルティングをお願いすること?
日本だと、どこの会社?BCGにお願いすれば良いのかね?
リクルート出身の経験あるマネージャーでも雇う?
一番は、経営陣とかトップのやる気や努力なんだろうけど。こればっかりは、下からは中々手を出しにくいというか、呑みにいって、涙でも流すっか。
【関連リンク】
イノサイトHP
ツールページ
翻訳者ブログ
翻訳者関連エントリー
【目次】
序文 − 破壊的イノベーションを振り返る クレイトン・クリステンセン
欠陥パラダイム1:常に最良の顧客の声を聞く
欠陥パラダイム2:市場のセグメンテーション
欠陥パラダイム3:サンク・コスト
欠陥パラダイム4:コア・コンピタンス
変革の推進方法
「共通言語」を構築し、「異なるプロセス」に従い、
成功する「デモンストレーション・プロジェクト」を実現するための現実的な手法が提供されている。
はじめに 成長達成への指針
・成長の重要指針としての破壊的イノベーション
・破壊的イノベーション
・破壊的イノベーションの原則
原則1:過剰満足が破壊的イノベーションの前提条件を作り出す
原則2:破壊的イノベーションはルールを破ることから生まれる
原則3:ビジネスモデルのイノベーションが破壊的イノベーションを推進することが多い
・よくある間違い
破壊的イノベーションとブレークスルーを混同してしまう
自社から見て従来と違っていれば市場において破壊的であると考えてしまう
第 1章 イノベーションの前提条件
1 中核事業を安定化する
2 成長の「作戦」を立てる
・成長ギャップの算出
・バランスの取れたイノベーション・ポートフォリオの計画
・「時刻表」の作成
・目標と境界の識別
・成長領域の選択
3 資源配分のプロセスを理解する
・どれだけの資源が必要か
・最も希少な資源は時間である
・投資を資本配分の意思決定とみなす
現場マネージャーへの助言
上級経営陣への助言:期待値の管理
第 1部 機会の識別
第 2章 「非消費者」の識別
「非消費」の定義
4つのタイプの制約条件
・スキル関連の制約条件
・資力関連の制約条件
・アクセス関連の制約条件
・時間関連の制約条件
消費の制約条件を発見することの意味
原則1:複雑なものを単純にする
原則2:主流市場における批判に惑わされてはならない
原則3:強制するな、イノベーションを提供せよ第 3章 過剰満足状態の顧客の識別
過剰満足とは何か
・顧客グループの定義
・適切な性能特性の識別
過剰満足状態の発見方法
・顧客との直接的やり取り
・利益率、価格、市場シェアの分析
・代替曲線
・新規製品立ち上げの分析
過剰満足の影響
・異なる性能特性への投資
・企業合併
・ビジネスモデルのイノベーションによる競合構造の変革第 4章 「片づけるべき用事」の識別
「用事」モデルと他の方式との比較
・人口統計学方式
・製品カテゴリー
・顧客ニーズに基づく方式
市場を「用事」ベースで見る
1 顧客はどのような基本的な問題を解決しようとしているのか
2 顧客はどのような「目的」に基づいてソリューションを評価するか
3 どのような障害がソリューションを制限しているか
4 顧客はどのソリューションを検討するか
5 イノベーションが生み出すソリューションにどのような機会が存在するか
例:体験の共有
「用事」の木構造の作成
「用事」の発見作業
・チームによるブレーンストーミング
・フォーカスグループ/顧客との軽いやり取り
・顧客の観察
・代償行動の分析
・顧客ケーススタディの調査
・成功への鍵
「用事」の優先順位づけ:簡単なチェックと詳細な定量的調査
「用事」の考え方でイノベーションのライフサイクルを理解する
1 需要の識別
2 ソリューションの最適化
3 価値の獲得
4 シェアの防御
5 成長の再活性化
第 2部 アイデアの公式化と具体化
第 5章 破壊的アイデアの開発
成功する破壊的イノベーションのパターンと原則
原則1:過剰満足あるいは「非消費」の顧客をターゲットとすることから始める
原則2:「必要にして十分」が大きな価値を持ち得る
原則3:競合他社がやらないことをやる
破壊的アイディアを目指す3つのステップ
ステップ1:検討作業のフォーカス
ステップ2:戦略的意図の決定
既存市場の変革
既存市場の拡張
新規市場の創出
新興の破壊的イノベーターからの防御
ステップ3:戦略的意図の実現方法を決定する
アイディア考案のヒント
・アナロジーを活用する
・アイディア考案セッションを開催する
・「堕天使」を探す
・社内外でアイディア公募を行う第 6章 戦略のパターン適合性評価
チェックリストの作成
アイディア評価の3つのアプローチ
簡単な適合評価の実施
リスクと未知の要素の判断
複数の戦略を比較する
3つの重要な教訓
教訓1:あらゆる評価はアイディアを具体化するための機会である
教訓2:定量的指標を意識的に避けることで可能性を増す
教訓3:短期的思考と長期的思考を組み合わせる
第 3部 事業の構築
第 7章 創発的戦略をマスターする
ステップ1:重要な不確実性の領域を識別する
財務指標をリバースエンジニアリングする
仮説とリスクの優先順位づけ
ステップ2:効率的な実験の実行
効率的実験
リスク回避戦略
成功の鍵:投資を控えて多くを学ぶ
ステップ3:調整と方向転換
イノベーションの加速要素としての「創発的戦略」
「不足」がもたらす力:2つのケーススタディ
避けるべき落とし穴第 8章 プロジェクト・チームの結成と管理
課題1:成功のためのチームを結成する
目標と自由度の設定
成功のための要員選定
課題2:チームと企業間のインターフェースを管理する
経営陣とチーム間のインターフェースを管理する
チームへの助言
チームと他組織間のインターフェースを管理する
軋轢のポイントを発見する
能力バランスシートの例:無料新聞
軋轢を管理する
チームの着地点を選択する
第 4部 組織能力の構築
第 9章 イノベーションのための組織構造
イノベーションに貢献する組織体制の実現
イノベーションの活性化のための研修組織と諮問委員会
イノベーション先導のための成長委員会と社内企業ファンド
イノベーションを先導するためのインキュベーターと成長グループ
イノベーションを強化するための企業ベンチャー投資事業部と事業開発グループ
行動の強さを決定するためにイノベーション環境を評価する
意思決定組織を成功裏に構築する鍵
その他の支援システムとマインドセット
適切なツール
共通言語
社外の広範な洞察力の追求
イノベーションを支援する人事ポリシーの策定第10章 イノベーションの評価指標
測定における罠
測定における罠1:少なすぎる評価指標
測定における罠2:持続的な行動を奨励してしまう
測定における罠3:アウトプットではなくインプットにフォーカスしてしまう
評価指標の例
インプット関連の評価指標
プロセス関連および管理関連の評価指標
アウトプット関連の評価指標
上級役員に対する助言
第11章 結論
本書の内容を振り返る
イノベーションにおいて陥りがちな罠
プロジェクト関連の罠
企業関連の罠
P&Gの事例からの教訓
教訓1:破壊的イノベーションは意識的な選択でなければならない
教訓2:既存のツールを変えるか、別のやり方で利用する必要がある
教訓3:チームの組織構造と管理者が破壊的イノベーションの隠れた阻害要因である
教訓4:発想の転換が必要である
最後の助言
パターン認識の時代
補遺 よく聞かれる質問(FAQ)