『イノベーションへの解 利益ある成長に向けて』   クレイトン・クリステンセン マイケル・レイナー 著


イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press)

イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press)



【所感】
・10時間くらい。
・『イノベーションのジレンマ』の続編。新事業を予測どおり発展させる立場にあるマネージャに、9つの意思決定に的を絞って、その指針を与えてくれる一冊。『イノベーションのジレンマ』が理論構築の書であることに対して、『イノベーションへの解』は、その理論の使い方の書であると。
・事例がアメリカ市場の物が多いので、日本版の事例で、今一度、説明してくれるとピンとき易いのに。誰か、アメリカの理論を日本の事例で説明してくれるようなケースブック作ってくんないかな。



【目次】

  第 1章 成長という至上命令
         イノベーションはブラック・ボックスなのだろうか
         イノベーションを方向付ける力
         予測可能性は優れた理論からやってくる
         本書の概要

  第 2章 最強の競合企業を打ち負かす方法
         破壊的イノベーションのモデル
         破壊的イノベーションの実例
         成長を生み出す上で持続的イノベーションが果たす役割
         破壊は相対的な概念である
         破壊的ビジネスモデルは貴重な企業資産である
         二種類の破壊
         アイディアを破壊的イノベーションとして形成するための3つのリトマス試験

  第 3章 顧客が求める製品とは
         仰々しい市場細分化
         状況ベースの区分を通じて、破壊の足がかりを得る
         破壊を持続させるためのイノベーション
         なぜ逆効果を招く方法で市場を細分化するのか
         顧客はやりたくない用事には手をださない

  第 4章 自社製品にとって最高の顧客とは
         新市場型破壊
         無消費への対抗が難しいのはなぜか
         新市場の顧客に到達するには、破壊的チャネルが必要なことが多い

  第 5章 事業範囲を適切に定める
         統合するか外注するか
         製品アーキテクチャとインターフェース
         「十分でない」世界には相互依存型アーキテクチャ
         オーバーシューティングとモジュール化
         相互依存型設計からモジュール型設計へ
         再統合の推進要因
         状況に調和したアーキテクチャ戦略をとる
         ちょうど良いときにちょうど良い場所にいること

  第 6章 コモディティ化をいかにして回避するか
         コモディティ化と脱コモディティ化のプロセス
         コア・コンピテンスとROA最大化のデス・スパイラル
         「十分良い」状況と「十分でない」状況、ブランドの価値
         このモデルを通して自動車産業の将来を展望する

  第 7章 破壊的成長能力を持つ組織とは
         資源、プロセス、価値基準
         能力の移動
         破壊的な新事業に適した組織を選ぶ
         新しい能力を生み出す
         資源、プロセス、価値基準を買収する
         過ちの代償

  第 8章 戦略策定プロセスのマネジメント
         二種類の戦略策定プロセス
         戦略策定プロセスで資源配分が果たす重要な役割
         戦略策定における資源配分
         戦略策定プロセスを事業開発段階に合わせる
         根本的に異なる2つの戦略プロセスを運営する
         戦略策定プロセスにおける3つの重要なポイント

  第 9章 良い金もあれば、悪い金もある
         不十分な成長から生じるデス・スパイラル
         成長投資のジレンマをどう乗り越えるか
         潜在的失速点を知るためには、財務成果ではなくパターン認識を用いる
         良い金が悪くなる前に投資方針を立ててしまう

  第10章 新成長の創出における上級役員の役割
         持続的世界と破壊的世界の橋渡しをする
         経営陣関与の理論
         お節介の大切さ
         経営幹部なら誰にでも破壊的成長を先導できるのか
         成長エンジンを作り出す

  終章   バトンタッチ