『沖縄の歴史と旅』 陳舜臣 著

沖縄の歴史と旅 (PHPエル新書)

沖縄の歴史と旅 (PHPエル新書)



【所感】
・これまた、沖縄に行く飛行機とホテルのプールサイドで読破。3時間くらい。

・沖縄には前から興味があったけど、歴史、特に戦前については、全く知らなかったので、戦前の歴史も書かれてる本を探してみた。意外と、沖縄の歴史本って、多くてビックリ。ちなみに、本書、前段はNHK人間講座、後段は歴史街道他で出してたものを再編集した一冊。

・最近、歴史物を読むと、ちょっとしたタイムスリップをしたような感覚に襲われる。もちろん、実際にタイムスリップしたことはない。本書の読後、もとい、読中から、当時の沖縄、琉球が目の前にあるような感覚。その感覚は、不快感ではなく、嬉しい驚きとか、本当に自分もそこにいるような現実感とか、そんな感じ。

・旅行に行くときに、その行き先の歴史を学ぶというのは、中々、面白い。今後も、続けたい読書法。

・東アジアの歴史は、とっつきにくて、今まで敬遠してたんだけど、ちょっと、これをきっかけに、東アジアという枠で、歴史を考えてみようかと考えるようになりました。



【沖縄の歴史】
・一言で言えば、波乱万丈というのか、激動というか、本土とは違うというか、凄く印象的。

・明治以前の琉球、明治以降の明確に日本の一部となってから敗戦までの沖縄、アメリカ統治時代の沖縄、返還後の沖縄、それぞれに別の国のような感覚、というか別の国だったわけで。特に、日本返還以降の沖縄と、明治以前の琉球は、全くの別物?国の成り立ちというか、経験というか、違うから当たり前ではある。好みで言うと、日本返還後の沖縄よりも、明治以前の琉球の方が、カッコよくて素敵な印象。

・世界史的に、琉球のような国との比較は興味深い。大国に囲まれ、バランスが重要な小国。国内資源が非常に限定的な小国。人口的には、どうなんだろう?県全体で150万人くらいというと、他の国だと、どの辺の規模かな、とか。



【目次】

  琉球の歴史
     1 伝説時代の琉球    − 東アジアの”交易人”
     2 三山時代       − 多重外交のはじまり
     3 琉球王国の興隆    − 交易立国への道
     4 近世琉球への転換   − 日本と中国のはざまで
     5 「沖縄県」の誕生   − 明治・琉球処分
     6 今あらためて沖縄を考える

  沖縄におもう
     もてなしの場
     伊東忠太博士のこと
     沖縄学の父・伊波普猷
     グスクの話
     柳田国男の『海上の道』
     牧志公設市場国際通り
     豚料理と泡盛
     亀甲墓と沖縄の宗教
     聖地斎場御嶽と久高島
     崇元寺と冊封使
     首里城 海が見える丘
     壺屋転々
     二人の巨人 程順則と蔡温
     柳宗悦の沖縄方言擁護論
     石敢当 沖縄の祈り
     万座毛
     なつかしさの表現
     石垣島 唐人墓と島人の心
     糸満の謎 日本唯一の海洋漁労の民
     宮古島 オトーリという宴
     移民の島からハワイへ、中南米
     戦場の県知事 島田叡さん

  対談
     歴史小説琉球の風』の世界