『続 企業参謀』  大前研一 著

続企業参謀 (講談社文庫)

続企業参謀 (講談社文庫)


【所感】
・5時間くらい。文庫本の割りには時間かかったけど、元は単行本なので、こんなもの?オリジナルは1977年だってさ。

『企業参謀』を読んだんで、その流れで、手にした一冊。『企業参謀』を読んだのは、勝間さんがフレームワークが大切だよー、って言うんで、その流れ。

・はしがき、あとがきにあるように、企業参謀≒企業経営幹部に求められるべき「ものの考え方」を紹介してくれてる。抽象論の思考法という内容ではなく、続では、オイルショック後の低成長時代における産業や市場の見方、と、企業戦略の類型といった具体的なテーマをもって、その「ものの考え方」の例示を行ってくれてる。

・オリジナルは、1977年刊行らしいんだけど、いやはや、『企業参謀』同様に、古さを感じさせない凄さと哀しさが満載。大前氏の言う戦略的思考は、今でも言われることで、それをオイルショックの頃から語ってるその先見性とか普遍性は、見事。逆に、未だに市場環境の変化に対応できない日本企業の哀しさ。恐らく、オイルショックの頃の低成長加減とか市場環境の変化よりも、昨今の市場環境の変化の方が大きいだろうに・・・。そりゃ、対応できないよね。というか、30年以上も、日本企業は、何をやってきたんだろうか。あんなに偉そうにしてる大企業の偉い人達は、一体、何をしてきたんでしょうか?

・事例が経営系なので、社会人1年目とかで読むのが良いのかも。もちろん、馬鹿なオジサンが読むのもあり。あくまで、「ものの考え方」の紹介本、入門書、といった感じか。これ読んだだけで、できるようになるとは思わないけど、雰囲気は掴める。



【自分の力】
この手の本は、いくつか読んだし、会社でも、その方向でものを考えようと努力してるんだけど、いまいち、向上を実感しにくくて辛いところ。もちろん、向上度合いがゼロではないことは実感してる。時間的にも、少なく済むようになってきた気もする。でも、なんか、もっと、スコーン、とした感じが欲しいなぁ。受験勉強のときに、折々に感じた感覚なんだけどなぁ。みんな、どうやってんだろーね?



【目次】

第1章 戦略的に考えるということ


第2章 ”低成長”とは何か
       戦略的思考家の条件
       新しい経済環境の吟味
       低成長の中身とその戦略的意味
       戦略の質的転換のために


第3章 戦略的思考に基づいた企業戦略
       相対的な力の変化
       相手の追従を許さぬ3つの方法
          1.KFSに基づく企業戦略
          2.相対的優位性に基づく企業戦略
          3.新機軸の展開に基づく企業戦略


第4章 戦略的計画の核心
       (1)戦略的に意味のある計画は、目的地に達した場合、守り抜けるものでなくてはならない。
       (2)いかなる勇者といえども、市場の構造変化を予知し、対処するために、
          己の弱さを常に知り抜いていなければならない
       (3)真の戦略家は、リスクを避けるのではなく、リスクを敢えてとる局面がなくてはならない
       (4)最後に戦略に魂を吹く込むものは人であり、マネジメントのスタイルである