『ケースで学ぶ問題解決の手法 シナリオ構想力 実践講座』   生方正也 著


シナリオ構想力 実践講座

シナリオ構想力 実践講座



【所感】
時間的には4h程度。図も多くて、字も多くて、解説も易しくて、ビジネスケースでプロセスごとに事例あり。
ロジカルシンキングとかフレームワークとかの基礎を見聞きしたことある人で、実践の場が少ない人には、打ってつけの一冊か。個人的には、この手の本では例のごとく、「そんなことわかってんだよ!できてるツモリなんだよ!でも、本当にできる自信はまだ無いんだよ!」という感想。解かった感、欲しい。



【シナリオ構築】
そもそもは、シナリオ構築、この本で言えば、骨子作りの4章に興味があって、というか深堀がしたくて購入。
本書曰く、

骨子作りは、手元のデータ→情報を眺めながら、既存のフレームワークを参考にしつつ、その時々の課題や目的に対して、オリジナルの骨子作りを、しなさい

との事。逆に言うと、フレームワークという単語が”万能”とか”唯一の正解”というニュアンスをもって独り歩きし過ぎてる昨今、本質に立ち戻って、ちゃんと考えなさい、っと。

で、その際に便利なのは、”因数分解”と”プロセス化”だと。



【目次】

第1章 価値の高い成果物を生み出すシナリオ構想
       定石を使いこなせない4つの理由
       シナリオ構想の基礎としての「俯瞰」
       シナリオ構想の4つの技術:「情報化」・「骨格をつくる」・「統合」・「伝える」
       成果物を進化させる、それがシナリオ構想の基本
       シナリオ構想で生み出す成果物

第2章 シナリオ構想の基礎            − 俯瞰の技術
       テーマと特性に着目する
       俯瞰の技術によるメリット
       C 1 : テーマの把握
       C 2 : 優先順位のつけ方
       C 3 : 特性の抽出
       まとめ : データを俯瞰する手順
                 1.テーマを押さえる
                 2.テーマにどんな特性があるのかを抽出する
                 3.特性に該当するデータを入手する
             どこまでデータを押さえるべきか

第3章 データを情報にする            − 情報化の技術
       データを情報にするための3つの条件
       データを情報にするための3つの視点
       C 4 : データの抽象化
       C 5 : 抽象的データの具体化
       C 6 : 立ち位置をもとにした情報化
       C 7 : 全体〜部分をもとにした情報化
       C 8 : 全体像の把握
       まとめ : 各情報化の活用場面
             情報化の順序


第4章 シナリオの骨格をつくる          − 骨格をつくる技術
       「考える骨格」は、成果物の柱
       骨格をつくるためのポイント
          1.骨格となる要素を抽出する
               ?手元にあるデータや情報から抽出する
               ?フレームワークを活用する
               ?目的からダイレクトに抽出する
          2.各要素の関係を把握する
          3.各要素を組み立てる
       骨格をつくるプロセス
       C 9 : 骨格となる要素の抽出
       C10 : 因数分解による要素の抽出
       C11 : プロセス化による要素の抽出
       C12 : 抽出した要素の組み立て
       まとめ : 有機体としての骨格を目指す
             自分なりの骨格をつくる手法をみつける
             オリジナルの骨格づくりを目指す

第5章 統合の技術                − 統合の技術
       情報を骨格に当てはめる
       共通点でまとめるか、独自性を残すか
       C13 : 共通点の抽出による情報の統合
       C14 : 独自性を反映した情報の統合
       C15 : 骨格の整理
       C16 : 骨格への情報の当てはめ
       まとめ : 方向性を見失わない
             情報や骨格となる要素を捨てる勇気をもつ
             情報化の技術を活用する
             他と「違う」部分にこだわる


第6章 相手に伝わるように成果物を仕立て上げる  − 伝える技術
       最終的な成果物をつくり上げる
       成果物を評価するのは受け手
       受け手に伝わるように仕立て上げる手順
       C17 : 受け手の分析
       C18 : 情報・骨格の優先順位づけ
       C19 : 伝え方の決定
       C20 : 説明のストーリー決定
       まとめ : バランスを意識する
             事前準備をしっかり行う

<ケース:組織の状況についてまとめ、具体的な対応策を提言せよ!>
   Case 1:ヒアリング結果のグルーピング − テーマの把握
   Case 2:再ヒアリングが必要なのはどれか − 優先順位のつけ方
   Case 3:「社員の能力」をより詳しく捉える − 特性の抽出
   Case 4:社内のコミュニケーションが悪い理由 − データの抽象化
   Case 5:「若手からの突き上げ」に込められた部長の不満 − 抽象的データの具体化
   Case 6:組織の成果への人事制度の影響 − 立ち位置をもとにした情報化
   Case 7:若手層のコミュニケーションに対する不満 − 全体〜部分をもとにした情報化
   Case 8:社内調査から見えるコミュニケーションの実態 − 全体像の把握
   Case 9:組織力は何から構成されるか? − 骨格となる要素の抽出
   Case10:個人の力=能力xやる気 − 因数分解による要素の抽出
   Case11:個の力が融合された状態をつくり出す − プロセス化による要素の抽出
   Case12:若手社員の発信力を強化する − 抽出した要素の組み立て
   Case13:「個人の資質」を一言で説明する − 共通点の抽出による情報の統合
   Case14:発信が少ないのは、若手と上司どちらのせい? − 独自性を反映した情報の統合
   Case15:具体策をつくるときに必要な条件 − 骨格の整理
   Case16:若手に発信させるためのプランづくり − 骨格への情報の当てはめ
   Case17:評価制度の変更依頼 − 受け手の分析
   Case18:背景を知らない人に説明する − 情報・骨格の優先順位づけ
   Case19:戦略的に伝える − 伝え方の決定
   Case20:結果を出す伝え方 − 説明のストーリー決定