『組織変革ファシリテーター − 「ファシリテーション能力」実践講座』 堀公俊 著
組織変革ファシリテーター―「ファシリテーション能力」実践講座 (BEST SOLUTION)
- 作者: 堀公俊
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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【所感】
半日、くらいかけて一読。字も大きくて、図も多く、読みやすい一冊。
読んでないけど、「問題解決ファシリエーター」を、組織変革というテーマで切った感じなのかと。
ファシリテーターが、社内に何人かいれば、楽なのに・・・。
でも、ファシリテーションがしっかりしてる会社って、社長をはじめとするリーダーの仕事、責任を取ること意外、何が残るんだろうか?
【目次−大枠】
第1章 知識編:組織変革とファシリテーションの技術
1 ファシリテーションが組織を変える
2 組織を変える3つの力
第2章 技術編:組織変革を促進するスキル
1 コミュニティをつくる:コミュニティ・ビルディング
2 ビジョンを掲げる:ビジョン・メイキング
3 プロセスを変える:プロセス・チェンジ
第3章 実践編:自律的な組織変革に向けて
1 マインドを変える
2 組織風土を変える
【第1章 知識編:組織変革とファシリテーションの技術】
2 組織を変える3つの力
1.組織を変える「3つの改革」
・戦略の改革で選択と集中を図る
・顧客の視点に立って業務プロセスを変える
・自己革新を促す組織風土をつくる
図 組織を変える3つの改革・組織変革の進め方・組織変革のプロセス例・組織変革における役割
2.1stStage:強いリーダーシップが改革に火をつける
・先が見えないことを決断する
・改革の方向性と断固たる決意を示す
・オーバー・コミュニケーションの大切さ
・本気度合いを伝える一番の方法とは
・自分はどう変わるのか
・思い切って部下に任せる
・緩慢な死を選ぶか、一か八か任せるか
3.2ndStage:ファシリテーションで協働を促進する
・パイロットチームが青写真をつくる
・次世代をにらんでベストの布陣を敷く
・優秀なファシリテーターが欠かせない
・変革ファシリテーターの3ステップ(図 変革の3つのステップとファシリテーターの役割)
①コミュニティを作る:Whyの共有
②ビジョンを掲げる:Whatの共有
③プロセスを変える:Howの共有
・改革の流れをつくる
・自律ユニットを立ち上げる
・ネットワークづくりが成功の決め手
4.3rdStage:強固なマネジメントが実行力を生みだす
・100%実行しなければ成果に結びつかない
・行動を変えないと風土が変わらない
・目に見えないものは管理できない
・持続力を持たせるには
5.ステージに応じて3つの力をシフトさせていく
・変革型リーダーシップとは
・なぜ組織変革に失敗するのか?(図 組織変革の落とし穴)
①3つの力を揃える難しさ
②3つの力のバランスの難しさ
③どこまで徹底してやれるか
6.ボトムアップで組織を変える方法(図 ボトムアップの組織変革)
・ボトムアップで組織変革はできないのか
・共感が協働を生み、協働が共感を生む
①危機感を共有するコミュニティをつくる
②ビジョンを掲げ、ネットワークを広げる
③具体策をトップにぶつける
・粘り強くゲリラ戦を展開する
・組織変革は壮大で緻密な物語づくり
【第2章 技術編:組織変革を促進するスキル】
1 コミュニティをつくる:コミュニティ・ビルディング
1.危機感と向上心が改革の原動力(図 コミュニティづくりのツールキット)
2.チェックインで関係性をつくる(A:チェックイン・チェックアウト・紹介系アイスブレイク)
3.リーダーをチームと融合させる(A:リーダーズ・インテグレーション)
4.ストラクチャード・ラウンドでじっくり語り合う(A:ストラクチャード・ラウンド)
5.ダイアログで意味を共有する(図 話し合いの3つのモード・A:ダイアログ・コラム:傾聴と観察で場をつかむ)
6.危機感を共有するワークショップ
アクティビティ:オフサイト・ミーティング
図 経営分析で危機感を高める
アクティビティ:シュミレーション・ゲーム
7.ウォームアップ・エクササイズで協働を学ぶ(A:コンセンサス・ゲーム)
8.コミュニティづくりにおけるファシリエーターの役割
・自分と他者を受け入れる
・変革に必要なリソースを発見する
①ポジティブな側面に注目する
②リソースを相対的に考える
③過去や現在にとらわれず将来を考える
④仕事以外のリソースに着目する
・信頼のネットワークをつくる
2 ビジョンを掲げる:ビジョン・メイキング
1.考え方の機軸を作る
・目標が一致しないと問題が共有できない
・ビジョンは誰がつくるべきか
図 問題解決のツール群
<定性分析> ・ロジックツリー・Tチャート(メリット・デメリット)・特性要因図・プロセスマップ・ポジショニングマップ
<定量分析> ・パレート図 ・面積図 ・差異分析図 ・相関図
・ビジョンには何が求められるのか(図 ミッション・ビジョン・バリュー)
①ミッション(Why)
②ビジョン(What)
③バリュー(How)
エクササイズ:優れたビジョンの条件
①明快でイメージしやすい
②挑戦的だが実現可能である
③驚きがあるが納得できる
・体感と追跡可能性が当事者意識を高める(図 ビジョンづくりのツールキット)2.内なる思いをつむいでいく
・ありたい姿を自由に語り合う(A:ウィッシュポエム)
・心の中の欲求を引き出す(A:好きな事/嫌いな事)3.時間軸に沿って考える
・ビジョンをリアルに感じさせる(A:タイムマシン法)
・未来形ではなく現在形で描く(A:未来の記事)
コラム:コンセンサス・ビルティング4.外部環境と意思を突き合わせる
・環境の変化をもとに考える(A:増えるもの/減るもの)
・意思・資源・期待で考える(A:Will/Can/Must)
・資源と環境を組み合わせて戦略的に考える(A:SWOT)5.多様な意見を自在に組み合わせる
・体系的に意見をまとめる(A:親和図法)
・自由奔放に考えるマインドマップ(A:マインドマップ)6.ビジョンづくりにおけるファシリエーターの役割
・心の中にある本質を引き出す
・言葉に込められた意味を共有させる
・ビジョンへの道筋を見極める
・決意(コミットメント)を確かめる
エクササイズ:ビジョンづくりの失敗の原因
①発散が足らず、関係性が十分にできていない
②ビジョンづくりの知識が不足している
③考える切り口が不足している
エクササイズ:ビジョンづくりコントロール
①論点の大きさのコントロール
②論点の高さのコントロール
コラム:ビジョンは本当に必要なのか
3 プロセスを変える:プロセス・チェンジ
1.新しい発想がなければ変わらない
・同じやり方から違う結果は生まれない
・思考の壁を破り、新しい打ち手を考える
①批評的思考 ②ゼロベース思考 ③多面的思考
・みんなの知恵で本質的な問題解決を目指す2.推進力と抵抗力のバランスを変える(A:フォースフィールド分析)
3.システム・シンキングで悪循環を打ち破る(A:システム・シンキング)
コラム:論点を整理する技術
①議論の前提を考える
②事実と意見を区分けする
③因果関係と相関関係を混同しない
④問題の種類を整理する
⑤論点の大きさや深さを整理する4.合理的に行動の優先順位をつける
・基準を定めて選択肢を選ぶ
アクティビティ:優先順位決め
・Tチャート ・ペイオフ・マトリクス
・意思決定マトリクス ・セブンクロス表5.コンフリクトを乗り越え、創造を生み出す
・相互理解を高め、創造的に考える(A:コンフリクト・マネジメント)
・相手の立場を共感的に理解する(A:ロールプレイ・ゲーム)6.ワークアウトで自律的に問題解決する(A:ワークアウト)
7.プロセスづくりにおけるファシリエーターの役割
・健全な批評を加える
①当たり前(常識)に問いかける
②異なる切り口を提示する
③事例や比喩を使う
④仮定や極論を使う
⑤立場を変えて考えてみる
⑥別の枠組みを投げかける:リフレーミング
・対立を活用して創造を生み出す:STP曲線
・挑戦や学習を支援する
エクササイズ:部門間の深刻な対立への対応
①全ての問題は組織全体の問題である
②自分は相手に何をしてあげられるのか?
コラム:ファシリテーターの落とし穴
【第3章 実践編:自律的な組織変革に向けて】
1 マインドを変える
1.改革の流れをつくるマクロなアプローチ
・利害関係者のタイプを見極める
・タイプに応じた適切な対処を取る(A:ステークホルダー分析)
・抵抗派をのさばらせてはいけない(図 抵抗派との戦い方)
・予防に勝る方策はない2.抵抗力を推進力に変えるミクロなアプローチ
・環境・結果・心理に対して働きかける3.論理と熱意で「諦めの壁」を打ち破る
・組織変革に対する2つの壁(図 「諦めの壁」と「怠惰の壁」)
・必要性を訴える、有用性を伝える、実現性を理解させる
・非言語メッセージで熱意を伝える4.障害を取り除き、「怠惰の壁」を壊す
・障害を取り除く方策を一緒に考える
・リフレーミングを活用する5.確信犯に対処する最後の方法
コラム:問題行動に対処する2 組織風土を変える
1.自律的に組織変革する仕組みをつくる
2.自律的な変革が起こる場をつくる
3.組織変革のノウハウを蓄積する
4.自律性の高い人材を育成する
5.「学習する組織」をつくりあげる
6.組織変革ファシリテーターをめざして