『組織変革ファシリテーター − 「ファシリテーション能力」実践講座』   堀公俊 著

組織変革ファシリテーター―「ファシリテーション能力」実践講座 (BEST SOLUTION)

組織変革ファシリテーター―「ファシリテーション能力」実践講座 (BEST SOLUTION)


【所感】
半日、くらいかけて一読。字も大きくて、図も多く、読みやすい一冊。
読んでないけど、「問題解決ファシリエーター」を、組織変革というテーマで切った感じなのかと。
ファシリテーターが、社内に何人かいれば、楽なのに・・・。

でも、ファシリテーションがしっかりしてる会社って、社長をはじめとするリーダーの仕事、責任を取ること意外、何が残るんだろうか?



【目次−大枠】

第1章 知識編:組織変革とファシリテーションの技術
    1 ファシリテーションが組織を変える
    2 組織を変える3つの力


第2章 技術編:組織変革を促進するスキル
    1 コミュニティをつくる:コミュニティ・ビルディング
    2 ビジョンを掲げる:ビジョン・メイキング
    3 プロセスを変える:プロセス・チェンジ


第3章 実践編:自律的な組織変革に向けて
    1 マインドを変える
    2 組織風土を変える

【第1章 知識編:組織変革とファシリテーションの技術】

2 組織を変える3つの力

  1.組織を変える「3つの改革」
      ・戦略の改革で選択と集中を図る
      ・顧客の視点に立って業務プロセスを変える
      ・自己革新を促す組織風土をつくる
      図 組織を変える3つの改革・組織変革の進め方・組織変革のプロセス例・組織変革における役割


  2.1stStage:強いリーダーシップが改革に火をつける
      ・先が見えないことを決断する
      ・改革の方向性と断固たる決意を示す
      ・オーバー・コミュニケーションの大切さ
      ・本気度合いを伝える一番の方法とは
      ・自分はどう変わるのか
      ・思い切って部下に任せる
      ・緩慢な死を選ぶか、一か八か任せるか

 
  3.2ndStage:ファシリテーションで協働を促進する
      ・パイロットチームが青写真をつくる
      ・次世代をにらんでベストの布陣を敷く
      ・優秀なファシリテーターが欠かせない
      ・変革ファシリテーターの3ステップ(図 変革の3つのステップとファシリテーターの役割)
         ①コミュニティを作る:Whyの共有
         ②ビジョンを掲げる:Whatの共有
         ③プロセスを変える:Howの共有
      ・改革の流れをつくる
      ・自律ユニットを立ち上げる
      ・ネットワークづくりが成功の決め手


  4.3rdStage:強固なマネジメントが実行力を生みだす
      ・100%実行しなければ成果に結びつかない
      ・行動を変えないと風土が変わらない
      ・目に見えないものは管理できない
      ・持続力を持たせるには


  5.ステージに応じて3つの力をシフトさせていく
      ・変革型リーダーシップとは
      ・なぜ組織変革に失敗するのか?(図 組織変革の落とし穴)
         ①3つの力を揃える難しさ
         ②3つの力のバランスの難しさ
         ③どこまで徹底してやれるか 


  6.ボトムアップで組織を変える方法(図 ボトムアップの組織変革)
      ・ボトムアップで組織変革はできないのか
      ・共感が協働を生み、協働が共感を生む
         ①危機感を共有するコミュニティをつくる
         ②ビジョンを掲げ、ネットワークを広げる
         ③具体策をトップにぶつける
      ・粘り強くゲリラ戦を展開する
      ・組織変革は壮大で緻密な物語づくり


【第2章 技術編:組織変革を促進するスキル】

1 コミュニティをつくる:コミュニティ・ビルディング
  1.危機感と向上心が改革の原動力(図 コミュニティづくりのツールキット)
  2.チェックインで関係性をつくる(A:チェックイン・チェックアウト・紹介系アイスブレイク)
  3.リーダーをチームと融合させる(A:リーダーズ・インテグレーション)
  4.ストラクチャード・ラウンドでじっくり語り合う(A:ストラクチャード・ラウンド)
  5.ダイアログで意味を共有する(図 話し合いの3つのモード・A:ダイアログ・コラム:傾聴と観察で場をつかむ)
  6.危機感を共有するワークショップ
      アクティビティ:オフサイト・ミーティング
      図 経営分析で危機感を高める
      アクティビティ:シュミレーション・ゲーム
  7.ウォームアップ・エクササイズで協働を学ぶ(A:コンセンサス・ゲーム)
  8.コミュニティづくりにおけるファシリエーターの役割
     ・自分と他者を受け入れる
     ・変革に必要なリソースを発見する
        ①ポジティブな側面に注目する
        ②リソースを相対的に考える
        ③過去や現在にとらわれず将来を考える
        ④仕事以外のリソースに着目する
     ・信頼のネットワークをつくる


2 ビジョンを掲げる:ビジョン・メイキング

  1.考え方の機軸を作る
     ・目標が一致しないと問題が共有できない
     ・ビジョンは誰がつくるべきか
     図 問題解決のツール群
        <定性分析> ・ロジックツリー・Tチャート(メリット・デメリット)・特性要因図・プロセスマップ・ポジショニングマップ
        <定量分析> ・パレート図   ・面積図   ・差異分析図   ・相関図
     ・ビジョンには何が求められるのか(図 ミッション・ビジョン・バリュー)
        ①ミッション(Why)
        ②ビジョン(What)
        ③バリュー(How)
     エクササイズ:優れたビジョンの条件
              ①明快でイメージしやすい
              ②挑戦的だが実現可能である
              ③驚きがあるが納得できる
     ・体感と追跡可能性が当事者意識を高める(図 ビジョンづくりのツールキット)

  2.内なる思いをつむいでいく
     ・ありたい姿を自由に語り合う(A:ウィッシュポエム)
     ・心の中の欲求を引き出す(A:好きな事/嫌いな事)

  3.時間軸に沿って考える
     ・ビジョンをリアルに感じさせる(A:タイムマシン法)
     ・未来形ではなく現在形で描く(A:未来の記事)
     コラム:コンセンサス・ビルティング

  4.外部環境と意思を突き合わせる
     ・環境の変化をもとに考える(A:増えるもの/減るもの)
     ・意思・資源・期待で考える(A:Will/Can/Must)
     ・資源と環境を組み合わせて戦略的に考える(A:SWOT)

  5.多様な意見を自在に組み合わせる
     ・体系的に意見をまとめる(A:親和図法)
     ・自由奔放に考えるマインドマップ(A:マインドマップ

  6.ビジョンづくりにおけるファシリエーターの役割
     ・心の中にある本質を引き出す
     ・言葉に込められた意味を共有させる
     ・ビジョンへの道筋を見極める
     ・決意(コミットメント)を確かめる
     エクササイズ:ビジョンづくりの失敗の原因
              ①発散が足らず、関係性が十分にできていない
              ②ビジョンづくりの知識が不足している
              ③考える切り口が不足している
     エクササイズ:ビジョンづくりコントロール
              ①論点の大きさのコントロール
              ②論点の高さのコントロール
     コラム:ビジョンは本当に必要なのか


3 プロセスを変える:プロセス・チェンジ

  1.新しい発想がなければ変わらない
     ・同じやり方から違う結果は生まれない
     ・思考の壁を破り、新しい打ち手を考える
        ①批評的思考 ②ゼロベース思考 ③多面的思考
     ・みんなの知恵で本質的な問題解決を目指す  

  2.推進力と抵抗力のバランスを変える(A:フォースフィールド分析)

  3.システム・シンキングで悪循環を打ち破る(A:システム・シンキング)
     コラム:論点を整理する技術
           ①議論の前提を考える
           ②事実と意見を区分けする
           ③因果関係と相関関係を混同しない
           ④問題の種類を整理する
           ⑤論点の大きさや深さを整理する

  4.合理的に行動の優先順位をつける
     ・基準を定めて選択肢を選ぶ
     アクティビティ:優先順位決め
             ・Tチャート     ・ペイオフ・マトリクス
             ・意思決定マトリクス ・セブンクロス表

  5.コンフリクトを乗り越え、創造を生み出す
     ・相互理解を高め、創造的に考える(A:コンフリクト・マネジメント)
     ・相手の立場を共感的に理解する(A:ロールプレイ・ゲーム)

  6.ワークアウトで自律的に問題解決する(A:ワークアウト)

  7.プロセスづくりにおけるファシリエーターの役割
     ・健全な批評を加える
        ①当たり前(常識)に問いかける
        ②異なる切り口を提示する
        ③事例や比喩を使う
        ④仮定や極論を使う
        ⑤立場を変えて考えてみる
        ⑥別の枠組みを投げかける:リフレーミング
     ・対立を活用して創造を生み出す:STP曲線
     ・挑戦や学習を支援する
     エクササイズ:部門間の深刻な対立への対応
              ①全ての問題は組織全体の問題である
              ②自分は相手に何をしてあげられるのか?
     コラム:ファシリテーターの落とし穴


【第3章 実践編:自律的な組織変革に向けて】

1 マインドを変える
  1.改革の流れをつくるマクロなアプローチ
     ・利害関係者のタイプを見極める
     ・タイプに応じた適切な対処を取る(A:ステークホルダー分析)
     ・抵抗派をのさばらせてはいけない(図 抵抗派との戦い方)
     ・予防に勝る方策はない

  2.抵抗力を推進力に変えるミクロなアプローチ
     ・環境・結果・心理に対して働きかける

  3.論理と熱意で「諦めの壁」を打ち破る
     ・組織変革に対する2つの壁(図 「諦めの壁」と「怠惰の壁」)
     ・必要性を訴える、有用性を伝える、実現性を理解させる
     ・非言語メッセージで熱意を伝える

  4.障害を取り除き、「怠惰の壁」を壊す
     ・障害を取り除く方策を一緒に考える
     ・リフレーミングを活用する

  5.確信犯に対処する最後の方法
     コラム:問題行動に対処する

2 組織風土を変える
  1.自律的に組織変革する仕組みをつくる
  2.自律的な変革が起こる場をつくる
  3.組織変革のノウハウを蓄積する
  4.自律性の高い人材を育成する
  5.「学習する組織」をつくりあげる
  6.組織変革ファシリテーターをめざして