『リクルートのDNA −起業家精神とは何か』   江副浩正 著


リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)

リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)


【所感】
リクルート、凄い!江副さんを初めとする創業者グループ、凄い!その後の人たちも、凄い!
その凄さが、続いてるところが、また、凄い!
しかし、リクルート出身者って、全体的にお洒落な人が多い印象あり。かつ、イケ面多い印象強し。


【疑問1】
凄いという前提での、当時を知らないという前提での疑問ではあるが、本書の内容から判断すると、リクルート社の情報誌は、競争が少なかった?のでは?今の例えば、ネット媒体などと比較すると、という意味で。もちろん、ゼロではなかったと思うけど。。。


【疑問2】
凄いという前提での疑問ではあるが、なんで、凄いのが続くのか?今や、8000億円近い連結売上に、1500億円超の連結経常利益をあげる大企業。
それが、本書で言うDNAという事であろうか。しかし、本書で書かれているDNAや施策は、突飛な内容ではなく、当たり前の事や、他の経営者も指摘していること。もちろん、当たり前のことを当たり前にやることの難しさ、当たり前のことを愚直に続けることの難しさはあろう。それだけでも、十分凄いのだけど、とはいえ、6兆円だかという国内広告市場(この数字にリクルートの扱う類の広告が含まれているかは不明)において、8000億円もの売上(この売上のどのくらいが広告売上なのかも不明)を達成しているのは、ちょっと異常な感あり。
先行者利得に、先行者優位はもちろん、もしかして、強力な競合の不在、というのが、大きかったのか。正確には、競合の不在ではなくて、それが、まさに先行者利得か。


とはいえ、後発ででも、なーんで、競合が出てこなかったのか、は、やはり、不思議か。パッと頭に浮かばないよね、情報誌の会社って。他に、どっかあったっけ?


でも、そーね。先行者として一気に市場をもっていくと、後発は、低価格、かつ、粘り強さ、が無いと、リクルートの情報誌には勝てない構造。消費者は、多くの掲載がある方がいいし、企業側は、多くの部数が出てる情報誌に出したいし。後発は、その両者ともに、メリット与えるのが難しい。知恵使って、誌面で差別化だせても、それがイケてるとリクルートに真似される。顧客がコンテンツという媒体の特性が、他のメディアとは違うところか。

とすると、ネット系の、ぐるナビ辺りは、実は、結構安泰なモデルかもしれない。人事系は、ニッチ系と低価格とサービスで、粘ってるなぁ。成果報酬でも、1件あたりが大きいからなぁ。

あ、でも、媒体が無料となると、消費者は複数手にしやすいから、ちょっと違うか。ネット系とかフリーペーパーになると、昔の有料時代とは、ちと垣根が低くなるっと。

とか思うと、リクルート、ネット系への取組は、ちょっと出遅れた感もある。

そうそう、本書によると、今のネット系の会社っぽい雰囲気を、創業時代のリクルートから感じる。逆に言うと、今のネット系企業との違和感というか差異感を感じない。60年代だから、50年くらい前なのに。これまた、凄い!


<目次>


起業家精神リクルートのDNA


第1章 企業風土について


第2章 私が学んだ名企業家の一言


第3章 成功する起業家の条件


第4章 リクルート創業期


第5章 生き生きと働く風土


第6章 情報誌の領域を広げる戦略


第7章 領域の過大な拡大


第8章 早すぎた新規事業立ち上げ


おわりに