『ハルビン・カフェ』   打海文三 著

ハルビン・カフェ (角川文庫)

ハルビン・カフェ (角川文庫)


【所感】

・近未来の福井県のある町で、大陸の動乱を逃れるため大量の難民が押し寄せ、中国・韓国・ロシアのマフィアが覇を競う無法地帯が舞台。無法地帯化してるので、警官の殉職が相次ぎ、ブチ切れた警官たちが、法に基づかない報復を行うと、こんな感じ?という設定。2002年の作品。
 
・字が小さめで、登場人物が多くて、昔の話と今の話がいったり来たりするので、ややこしいというか読みにくいのだけど、話のテンポが良くて、謎解きの面白さが秀逸で、寝る間を惜しんで一気読み。
 
・集団テログループが老いていくという点では、日本赤軍?とかの話をちょっと思い出した。
 
・主人公というかフィクサーというか、が、ハイパー人垂らしという設定がなんとも。これ読むと、人垂らし能力 x 健康・体力 x (ちょっとした)専門能力・知識 って、どの分野でも、伸し上がっていくための最強組み合わせかも、とか。島耕作も、人垂らし能力、高かったしなー。
 
・新宿とか、難民はいないというか少数だけど、各国のマフィアが暗躍してそうで、警察の人って、報復が云々とかってならないのかな?マフィアという組織が一定の規律の中で、みんなが越えちゃいけない一線を、絶妙なバランスで、キープできてるとかか。そういう意味では、難民多数というのが、無法地帯の必要要素なのかもしれん。
 
・この話、映像化してくれたら、見るなー、きっと。登場人物が多いから、2時間の映画とかよりも、連ドラが嬉しい。