『経済学の終わり 「豊かさ」のあとに来るもの』 飯田経夫 著
- 作者: 飯田経夫
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1997/10
- メディア: 新書
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【所感】
・1997年の本。
・経済学者が、現代資本主義の限界とか、既存市場経済の綻びとかについて、コラム風にまとめてくれてる一冊。今となっては、その限界や綻びが、1997年よりは、目に見える形になってきているので、わざわざ本書を読んで、危機感をもたなくても、いいか。
・できれば、限界やほころびに対する処方についても、記述が欲しかった。ここが不安だ、ここが懸念だ、これは納得いかない、って、それだけで終始してる経済学者って、どうなのよ、という気もした。本書の意図として、疑問の提示というところだろうけど、そうだとしても、疑問の立脚点が、口調がコラム風かつ情緒的で、見えにくいし、わからない。
・堺屋さんが「東大講義録」の中で、近代以降の産業化社会を見てきたこれまでの経済学では、今後の社会の変化で、フレームワークとして対応できなくなる、みたいな事が書かれていたのを思い出した次第。
【目次】
序 章 愚かな過ち 「よき日本人」はどこへ行ったのか
第1章 経済成長の幻想
第2章 「豊かさ」の正体
第3章 「見えざる手」の神話 − アダム・スミスの命題
第4章 資本主義の「狂気」 − カール・マルクスの命題
第5章 「福祉国家」の栄光と悲惨 − ケインズの命題
第6章 経済学を超えて
終 章 人間とは何か