『宣戦布告』 麻生幾 著
- 作者: 麻生幾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/03/15
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【所感】
・もし、北朝鮮がゲリラ的に日本国内でテロ行為を行なったら、こんな感じになっちゃうかも、という小説。
・NHKの「外事警察」をみて、原作者だったか原案者の麻生氏の作品を読んでみたくなり手にした一冊。
・村上龍氏の「半島を出よ」と似たテーマの小説。違いは、「半島を出よ」は、北朝鮮側の登場人物も多く、向こうの事情とか考え方とかが多い。いきなり軍が大挙して上陸してくるので、日本の警察はあんまり出てこない。一方で、「宣戦布告」は、95%くらい日本側の話で向こう側の登場人物は日本国内で活躍するスパイが数名。日本に上陸してくる舞台がゲリラ的で少人数なので、警察の活躍も多い、あたり。ま、一言で言うなれば、同じような舞台設定でも、小説家とジャーナリストで、それぞれこんな感じで表現が異なってくるんだー、という感じか。
・いずれの作品も、有事における日本の対応の拙さが、状況を悪くする点が、共通というか著者の危機意識として明確。
1.有事を想定した体制上の課題
法整備の不足
組織設計・組織運営・コミュニケーションルートの未整備
2.リーダーの決断力の問題
平時と有事の切り替え
決断する内容
決断に要する時間
・24とか見てると、例外もいたけど、総じて、大統領の決断というのが、結構、カッコよかったりするのだけど、日本の総理大臣って、その対極的な描かれ方をされてて、ちょっと寂しい気分。