『文明の衝突と21世紀の日本』   サミュエル・ハンチントン 著

文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)

文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)

【所感】
・「24 シーズンⅥ」を見た直後に読んだので、その解説みたいな感じ。
・小難しそうなテーマにも関わらず、すごーい読みやすくて2h程度で読破。
・「文明の衝突」の抜粋、98年の東京公演「21世紀における日本の選択」、「フォーリン・アフェアーズ」誌99年掲載の論文「孤独な超大国」の3本だて。
・理論というか分析の構図がシンプルなだけにわかりやすく、ちょっとカルチャーショック。ハンチントン理論だけが唯一の見方ではないんだろうけど、言われてみると、おっしゃる通り、と頷きの連続。
・日本って、特殊だよなぁ、と前々からわかっていたけど、孤立とまで言われると、そんくらい特殊かぁ、と。コミュニケーション無しに意思疎通ができないって事だよなぁ。もっと外に出て、もっと来てもらって、コミュニケーションを増すしかなさそうだけど、それができない閉鎖性がまた特色となると、うーん、辛いところ。日本の孤立を避けるには、デスラー総統みたいな世界共通の敵でも出現してもらうしか無いのか。



【目次】

    21世紀における日本の選択 − 世界政治の再編成
       冷戦後の世界
       パワーの構造
       文化および文明的観点から見た孤立国家・日本の特徴
          孤立する国家 日本
          西欧化しない日本
          革命のない日本
          中国と日本
          中国と日本とアメリ
          東アジアの命運

    孤独な超大国 − パワーの新たな展開
       パワーをめぐる国際関係
       アメリカは慈悲深い覇権国ではない
       無法者の超大国
       柔軟な対応
       孤独な保安官

    文明の衝突 − 多様・多文明的な世界
       多様化・多文明化する世界
       文明の性質
       現代の主要な文明
       文明の構造
       中核国家と文明の断層線での紛争
       冷戦後の国際政治
       アジアとアメリカの冷戦
       転機となる戦争、アフガン戦争と湾岸戦争
       西欧の再生はなるか?
       文明の共通した特性

    解題 中西輝政
       「ハンチントン理論」の衝撃
       「日本の選択」と「ハンチントン理論」