『インテリジェンス 武器なき戦争』   手嶋龍一・佐藤優 著

インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)

インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)


【所感】
・インテリジェンス界の入門書。手嶋氏・佐藤氏という一般に有名な人が、対談形式で、業界を語ってくれてる。
 
・なんか一番勉強になったなぁ、と思うのは、戦前の日本軍では、インテリジェンスを「秘密戦」と訳してて、「謀報」・「防諜」・「宣伝」・「謀略」の4つに分けていたというくだり。後で、Wikipediaみたら、そのまま書いてあった。
 
・以前に友達が、日本は、この辺の機能が他国に比べるとやっぱ劣ってて、かろうじて「防諜」がまだ機能してて、次に、「謀報」が頑張ってるけど、報告されてきたものを判断する機能で決定的に劣ってて、「宣伝」・「謀略」については皆無、みたいなことを言ってたのを思い出した。「宣伝」・「謀略」については、やらないというやり方もあると思うが、「謀報」と「防諜」は世界トップクラスにもっていかないといけない、みたいなことを言ってたなぁ。
 
・で、本書については、両氏の功績とか人となりを知らないんだけど、なんか、印象として、俺らは、皆が知らないいろんな事を知ってんだぜ、とか、インテリジェンス界では俺ら有名なんだぜ、実力はあるんだぜ、みたいな印象。とはいえ、表現自体がストレートな自慢ではないんだけど、何と言うか、全体的な読後感として、まー、そんな感じ。ほんと、本人達を知らないで、こんな事を言うのはおかしいのだけど、インテリジェンス利権というかインテリジェンス界の周辺で食べてる小者です、と自己紹介している本、な印象。あくまで本人達を知らないので、本を読んだ印象。そういう意味で、本の書き方というか、対談の内容みたいなところで、もうちっと考えようがあったのではないか、とか思ってしまった。好みの問題かもしれないけど。
 
・とはいえ、今の日本のインテリジェンス界の雰囲気とかを感じることができる手軽な一冊とも思った次第。




【目次】

    序章 インテリジェンス・オフィサーの誕生
    第1章 インテリジェンス大国の条件
    第2章 ニッポン・インテリジェンス その三大事件
    第3章 日本は外交大国たりえるか
    第4章 ニッポン・インテリジェンス大国への道