『事業再生プロフェッショナル』   清水輝幸 著


事業再生プロフェッショナル―6カ月で収益力が飛躍的に改善する

事業再生プロフェッショナル―6カ月で収益力が飛躍的に改善する


【所感】
小説仕立てのケースで、読みやすく、客観的な視点もあり、理解しやすい。



【特徴】

構成:
  事実を元にしたケース
  P/Lの再生
  変革の決断までと、計画立案に重点あるが、実行段階もふまえバランスあり
  三枝3部作に近い作り(ケースを軸に理論・原則を説明)

再生対象:
  陶磁器の製造・販売会社
  成熟産業
  創業80年の老舗高級洋食器メーカー

主人公:
  スポンサー  黒澤社長(3代目 41歳)
  力のリーダー 黒澤社長
  智のリーダー コンサルタント 杉江
  動のリーダー 社長室次長 前野 他
           売上増加チーム
           仕入原価削減チーム
           製造生産性向上チーム
           商品開発チーム

規模:
  目標 売上110億円 営業利益 5.0億円
  現状 売上118億円 経常損失 1.8億円

時期・期間:
  6ヶ月

改革手法:
  既存ビジョンの愚直な実行

戦略的打ち手:
  意識改革
  職能別組織内の改革
  職能別組織間の連携強化

【目次】

プロローグ − いかにして変革への”本気”を引き出すか


第1章 わかっていても変えられない現実
    厳しい指摘
    計画と評価のギャップ
    がけっぷちの状況に気がつかない老舗企業
    成功体験の大いなるツケ

    人を動かすための原則1 想いと現実のギャップを知る


第2章 当事者意識はあるか
    最大の問題
    被害者意識の強さ
    なぜ成果が出ないのか
    変革プロジェクト始まる
    変革に聖域なし

    人を動かすための原則2 変革実行の覚悟を決める


第3章 固定観念の巨大な山、埋もれた事実(プロジェクト1週目)
    無理難題
    改善余地を数値化して考える
    目標を細かく分けて考える
    ”壁は絶対に壊せない”という思い込み
    成功体験ゆえの反発

    人を動かすための原則3 退路を断つ


第4章 問題に気づく管理者、”気づきたくない”管理者(4週目まで)
    やり甲斐のある仕事がしたい
    若手たちとの共同作業
    第1回変革会議
    過去のしがらみと慣れ
    見えていなかった事実
    自分のやっていることへの確信を持つ

    人を動かすための原則4 問題を自覚させる


第5章 加速する行動(6週目まで)
    意欲の温度差
    実績が伴わない原因
    部下の巻き込み
    4者4様の第3回変革会議
    行動変化の波及効果
    自分の詰めの甘さを告白
    「まず、自分が変わらなければいけない」
    「社員の首を切るつもりはない」

    人を動かすための原則5 必要な行動を計画させる


第6章 目標達成を支えるものは何か(10週目まで①)
    当事者意識の高まり
    アクションプラン稼動
    商品ライン・アイテム数をいかにして削るか
    新たな壁
    プロジェクトリーダーの告白
    営業所長を巻き込む
    ”4ステップ”の適用
    全員一丸となった成果
    逆算的計画思考の実践
    意思疎通を高める効果

    人を動かすための原則6 正しい行動スピードで行動させる


第7章 無関心と挫折(10週目まで②)
    サジを投げられた上司
    思い切った行動
    第5回変革会議
    ”事件”
    聞く耳を持たない態度
    「それが部長の言う言葉ですか」

    人を動かすための原則7 正しい行動スピードをまわりに伝播させる


第8章 管理者としての”覚悟”(14週目まで)
    目覚め
    正念場
    「私はもう限界です」
    腹を決める
    第7回変革会議「○かXか」
    連帯感が生まれはじめた
    強い決意

    人を動かすための原則8 行動の効果を考えさせる


第9章 本気と本気がつながりあう(20週目まで)
    自分は何をもって貢献すべきか
    第8回変革会議のどよめき
    数値化が癖になる
    巣立ちのときへ
    改革の実感

    人を動かすための原則9 成果に執着させる
   

エピローグ − 継承すべき価値観


あとがき − リーダーにしかできない最も大切な仕事