『これからの10年 団塊ジュニア1400万人がコア市場になる!』   三浦 展 著

  
【所感】
・2002年の本だから、これから10年だと、2012年までか。読みやすくて、なかなか想像力を刺激してくれて面白かった。5年に一度くらいは、こういった本、読みたいところ。

・三浦さんは、消費社会研究家ということで、市場とか消費者の見方みたいなところが得意分野とみた。そうだとすると、本書の肝は、第1章〜4章にあって、あとは、ま、おまけかな。人口動態とかの統計とかもちゃんと踏まえて、実際に消費現場とかも確認しつつ、既にあるけどまだ小さい芽を、ちゃんと拾ってくれてる感じ。逆に、まだ無いものは、拾えないというか。

・なので、マス市場が無くなる時代に、これまでほど大きくないけど、それなりに大きなセグメントはどこなのか、みたいな切り口。背景には、人口動態の違いと、需要と供給のバランスの違いあるっと。本書にもあるように、マーケティング力が問われる時代に、いよいよ本格的に突入してきた印象。これまでマーケティングで食ってましたって人、この違いがちゃんと理解できないと、これから食っていけない、というか、そういう人がマーケティングを担ってる会社は、食っていけないんだろうな。

・5章以降のビジネスの方は、ネットの話が少なくて、売る・買うといった商売から、シェアとか定期購買的な話がも少ない。今のクライアントをみて書いてるのかもだけど、やっぱ、おまけかな。消費者も変われば、社会も変わるし、技術革新もあるし、みたいな広がりも欲しかったか。そんな広がりをもったら、1冊の本に収まらんけど。


  
【目次】

第1章 これからの10年、新しい消費社会が誕生する
 
第2章 新しい市場を読む① 「ライフスタイルケア市場」が生まれ、急成長する
 
第3章 新しい市場を読む② 躍進する4つの新市場も見逃すな
     ・散歩市場 団塊世代はこれから街に出る
     ・新有閑階級市場 フリーターと50代女性が流行をつくる
     ・新カテゴリー市場 カテゴリーNO.1が生き残る
     ・地方市場 地方発のトレンドが都市を動かす
 
第4章 二大世代の攻略法① 団塊世代1000万人はこうやってつかめ!
     ・団塊の男性は「個人に帰る」
     ・団塊の女性は「独身気分に戻りたい」
     ・団塊世代のこれからの消費スタイルを読む
       1 自動車
       2 リバイバル消費
       3 クオリティ消費
       4 時間エンジョイ消費
 
第5章 二大世代の攻略法② 団塊ジュニア世代がこれからの市場をリードする!
 
第6章 二大世代の攻略法③ 団塊ジュニア世代1400万人はこうやってつかめ!
     ・自己最適化 自分で手を加えられるものを買う
     ・限定感 希少価値の高いものを買う
     ・27歳プラス未婚女性 新しい生き方を支援するものを買う
     ・デザイン訴求 デザインのよいものを買う
     ・団塊ジュニアはどんなクルマを買うか
     ・団塊ジュニアはどんな家を買うか
 
第7章 これからの10年、生き残る企業の戦略はこれだ!
     戦略① 「水道哲学」から「ミネラルウォーター哲学」へ
     戦略② コンセルジュ的なサービスを展開する
     戦略③ 新生活必需品をとらえる
     戦略④ デザインマーケティングを強化する
     戦略⑤ 少人数の賛同でも商品開発を進める