『「みんなの意見」は案外正しい』   ジェームズ・スロウィッキー 著

「みんなの意見」は案外正しい

「みんなの意見」は案外正しい


【所感】
・Web2.0の流行に乗じて手にした一冊。
・「集団の知恵を活用するには、集団を構成するメンバーの多様性、独立性、それに分散化が備わった集団に加えて、集団のメンバー個々の意見を1つに集約する仕組みもなければならない」だそうな。
・日本だと、政府の失敗感が強いから、特に多様性・独立性・分散性の低い官僚組織の限界、とか、実感しやすそう。
・でも、逆に、明治政府初期、戦後高度経済成長とかの時期は、その官僚制が一定の成果をあげたともみえるわけで、成果をあげたとみるなら、その時期は、実は官僚も、多様で独立してて、って、ことだったのかしらん。
・いずれにせよ、集団の意見を1つに集約する仕組み、というのが、ネット前とネット後で、全然違うのか。ネット前だと、ここにフィットした少数がいたか否かが重要だったってことかしらん。
・これだけ世の中が細分化して高度化されると、すべてに対応できる少数って、やっぱ、いないよね、という気もする。
  

  
【目次】

 1章 集団の知恵
 
 2章 違いから生まれる違い − 8の字ダンス・ピッグズ湾事件・多様性
 3章 ひと真似は近道 − 模倣・情報の流れ・独立性
 4章 ばらばらのカケラを一つに集める − CIA・リナックス・分散性
 5章 シャル・ウィ・ダンス? − 複雑な世の中でコーディネーションをする
 6章 社会は確かに存在している − 税金・チップ・テレビ・信頼
 
 7章 渋滞 − 調整が失敗したとき
 8章 科学 − 協力・競争・名声
 9章 委員会・陪審・チーム − コロンビア号の惨事と小さなチームの動かし方
10章 企業 − 新しいボスって、どうよ?
11章 市場 − 美人投票・ボウリング場・株価
12章 民主主義 − 公益という夢