『わかりやすいマーケティング戦略』 沼上幹 著

わかりやすいマーケティング戦略 (有斐閣アルマ)

【所感】
・学生に限らず、社会人でもマーケティングとか経営戦略に携わる人が最初に読む一冊として、秀逸な印象。マーケティング・ミックスだけに重点をおかず、製品ライフサイクルとか業界の構造分析までを含めている点がその理由。実務としては、４Ｐの一部だけを担うような部署や人も、その上位概念を認識しておくことは重要。

・逆にいうと、マーケティング論・経営戦略論の中の各論は浅め。細かい議論は、それぞれの専門書に行ってね、という感じ。そういう意味でも、学部の教科書っぽい。

　
【目次】

　　第１部　マーケティング戦略

　　　　第１章　マーケティング・ミックス　：　４つのＰ
　　　　　　　　１　プロダクト　：製品
　　　　　　　　２　プレイス　：流通チャネル
　　　　　　　　３　プロモーション　：顧客との情報のやりとり
　　　　　　　　４　プライス　：価格
　　　　　　　　５　マーケティング・ミックス　：４Ｐの内部のフィット

　　　　第２章　ターゲット市場の選定　：　セグメンテーション
　　　　　　　　１　セグメンテーションの定義
　　　　　　　　２　セグメンテーションの基準
　　　　　　　　３　軸の組み合わせ
　　　　　　　　４　ターゲットを絞る
　　　　　　　　５　富士写真フィルム「チェキ」のケース

　　　　第３章　製品ライフサイクル
　　　　　　　　１　導入期
　　　　　　　　２　成長期
　　　　　　　　３　成熟期
　　　　　　　　４　衰退期
　　　　　　　　５　まとめ
　　　　　　　　６　若干の注意事項
　　　　　　　　７　カップヌードルのケース

　　　　第４章　市場地位別のマーケティング戦略
　　　　　　　　１　４つのタイプ
　　　　　　　　２　トップ・シェアの魅力
　　　　　　　　３　リーダーの戦略
　　　　　　　　４　チャレンジャーの戦略
　　　　　　　　５　ニッチャーの戦略
　　　　　　　　６　フォロワーの戦略
　　　　　　　　７　ドライ戦争

　　　
　　第２部　より広い戦略的視点を求めて

　　　　第５章　業界の構造分析
　　　　　　　　１　競争要因と利益ポテンシャル
　　　　　　　　２　既存企業間の対抗度・敵対関係の強さを規定する要因
　　　　　　　　３　新規参入の脅威
　　　　　　　　４　買い手の交渉力（売り手の交渉力）
　　　　　　　　５　代替品の脅威
　　　　　　　　６　おわりに

　　　　第６章　全社戦略
　　　　　　　　１　高度に多角化した企業の経営
　　　　　　　　２　ＰＰＭ
　　　　　　　　３　キャッシュ・フローのマネジメント
　　　　　　　　４　事業単位ごとの戦略指針
　　　　　　　　５　若干の注意事項

　　　　第７章　事業とドメインの定義
　　　　　　　　１　事業定義・ドメイン定義の重要性
　　　　　　　　２　事業定義の方法
　　　　　　　　３　ドメイン定義の注意点
　　　　　　　　４　おわりに

　　　　終　章　戦略的思考に向かって
　　　　　　　　１　本書のまとめ
　　　　　　　　２　３つのスタンス
　　　　　　　　３　集中せよ