『日本産業 三つの波』   伊丹敬之 著

日本産業 三つの波

日本産業 三つの波

 

【所感】

・日本の戦後産業史とか産業面からみた日本戦後経済の本。
 
・98年の本なれど、全く古さを感じさせない、まー、史の本なので、当たり前ではあるが、これからの時代を語っている2章と12章においても、古さを感じさせない。この10年、何をやってきたんだ、この国は!という感じもあり。
  
・第1の波 1955〜74 オイルショックまで 成長の原動力は重化学工業(鉄鋼・化学・機械・重電・造船)の成長=機械産業化 輸出yより内需

・第2の波 1975〜93 バブル崩壊まで リード産業は、自動車とエレクトロニクス 内需より輸出

・第3の波 最終財の「支援型」産業と「統合型」産業
  
・次の波は、前の波の遺産をベースに、前の波の段階で胎動
  
・20年周期で考えるならば、1994〜2011の震災までが、次の周期で、2012〜30くらいがその次の周期か。

 
【目次】

     1章 戦後産業発展の二つの波
     2章 90年代の混迷から第三の波へ
     3章 造船    : いつまで世界の王座を守れるか
     4章 鉄鋼    : なぜいまも世界一なのか
     5章 VTR   : なぜ世界を制覇できたのか
     6章 自動車   : なぜ成功し、そして急ブレーキか
     7章 円高    : なぜ早く大きな回復ができたか
     8章 化学    : なぜ世界に立ち遅れたのか
     9章 銀行    : ほんとうに発展したのか
    10章 半導体   : なぜ三つの「逆転」は起きたのか
    11章 コンピュータ: なぜ伸び悩んでいるのか
    12章 成功パターンと新しいキーワード

    12章 成功パターンと新しいキーワード

     1節 日本産業の成功パターン
          技術の本質と組織の得意技
          人材の量と人的ネットワーク
          国内市場の需要と競争
          キャッチアップへの障壁とプッシュ要因
          技術の合理性と人本主義
 
     2節 世界の壁、日本の壁
          二つの壁
          世界の壁
          日本の壁
 
     3節 新しい時代へのキーワード
          複眼の発想
          二つの壁を乗り越えるキーワード
          新たな成功パターンへのキーワード
          自由な実験
          市場での資源蓄積
          日本列島の三つの顔
          歴史のあざなえる縄